丸山先生がいるからがんばれるの∞橙

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バイクの音が聞こえて
２階の窓からのぞく


あ！きたきた！


急いで
階段を降りて玄関へ


玄関の姿見で
髪を整えて


チャイムが鳴るのを待つ



♪ピンポーン



きた！



「はぁーい！」

玄関の扉を開けると

「こんばんはぁ」

って寒そうにしながら微笑む彼



「いらっしゃい。丸山先生」



彼は
あたしの家庭教師




＊




「いらっしゃい」

リビングからお母さんが出てくる

「こんばんは。おじゃまします」

そう言って
優しく微笑む



「あとでシゲが帰って来たら一緒にご飯食べて行ってね」

「はい。ありがとうございます」

そう言って頭を下げる



そんなことより
今日は丸山先生に見せたいものがあるの！

「先生！行くよ！見せたいものがあるの！早く！早く！」

「よろしくおねがいします」

お母さんがそう言うと
にっこり笑って

「はい。おじゃまします」

って

優しい丸山先生は
お母さんもお気に入り


だから
ひとり暮らしの先生を心配して
夕食を食べてもらったりしてる



丸山先生は
もともとお兄ちゃんの大学の友だちで
家に遊びに来た時に
「今度、この子に勉強教えてあげて」
って言ったのが始まりで

週に１回金曜日だけ来てくれることになった



だから
金曜日の我が家の夕食はちょっと豪華







丸山先生の腕を引っぱって
階段をのぼる


「先生。寒かった？」

「うん。さすがにもう１０月やなぁ」

「１０月は"October"！」

「正解！」


そう言って
あたしの頭をなでてくれる


ね？
丸山先生はすっごくやさしいの

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