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感情を抑えられなくなったのだろう。また、泣き出してしまった王女様を抱きしめる。

「醜くなんかありません。私を愛してくれている証拠です」
「え…」

「でも、嫉妬させてしまうようなことをしてしまって、申し訳ありません」
「そんな…」

「だから、これだけは言わせてください。私は確かに女王陛下に忠誠をお誓いしています。でも、それは恋愛感情としての好きではありません」
「……」

「愛してるのはA、ただ一人です」
「…はい、…本当はわかってたんです。アダムさんがただ母に忠誠を誓っているだけだと。でも、母のことばかりで不安になってしまって…」

王女様を抱きしめ、頭を撫でると、背中に腕を回し、静かに泣いていた。

「本当に私にはAしかいません、安心してください」
「はい…」

涙を流しながらも、顔を上げた王女様に口づけをすると、いつものような輝いた笑顔を見せてくれた。
やはり、泣いている表情よりも、笑った表情のほうがずっと可愛らしい。

しばらくして王女様は落ち着いた。
もう4時近い、これより遅く寝ると、王女様に支障が出てしまう。

ベッドに入ると、さっきまで眠くなかったのに、不思議と睡魔がやってきた。
王女様がいるという安心感からだろうか。

王女様は俺のほうを向き、暗闇ながらに俺のことを見つめているのがわかった。

「おいで」

腕を上げ、王女様が来れるスペースを作る。
いつものように微笑み、王女様が俺に抱きついてきた。

ああ、こんなにも愛しい存在を俺は傷つけてしまったんだな。
深く反省しながら、王女様を抱きしめ返す。

もう絶対に傷つけたりなどしない。
そう誓って、王女様におやすみのキスをした。

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作者名: | 作成日時:2018年8月18日 0時

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