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「は……あっ、」
白いトラックにベトッとついた赤い血痕。
信号が点滅してるのも気にかけず、一目散に駆け寄る。
「神っ、ちゃ」
膝を地につけ、その無惨な姿を目の当たりにした。
手先まで真っ赤に染まっている神ちゃんの肌。
そうこうしている間にも、血の海は広がっていく。
そっと手の脈を触ると、何時もより体温が低くなってるんがわかった。
“死”と言うものが、神ちゃんに近付いて来てんのを肌で感じて
冬にも関わらず冷や汗が頰を伝う。
「あれ…なにかにぶつかったか……?」
上から、そんな呑気な声が聞こえた。
「は……?」
どくどくと、俺の心臓が脈を打つ。
「お前なぁっ………!!」
血がついたままの手で、そいつに摑みかかった。
「ざけんなよ? …なあ、ちゃんと前確認しろや!
お前のせいで人が1人死にかけてんねんぞ!? なあ……なぁって!」
「は? や、信号無視って言うか、車のコントロール聞かなかったと言うか…
でも、横断歩道のど真ん中に立ってるお宅らも悪いでしょ?
ちゃんと、横、確認しました?」
そう言いながら鼻で笑うそいつ。
「なっ……!?」
なんも言い返せへんかった。
横断歩道で呼び掛けたんは、俺。
…俺が、神ちゃんを、殺した?
「…もおええわ」
ばっと手を離し、ポケットからスマホを取り出す。
緊急のボタンをタップして、救急に電話をした。
『はい、こちら救急センター』
「あ、あの! 車が人にぶつかって!」
『!? 分かりました。直ぐに向かいます。 場所をお教えください。』
「○○○の△△▲、◇◽◽◻!」
『分かりました。では、』
そう言って電話が切れる。
真っ黒なスマホの液晶画面に血が付いてた。
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モンチ(プロフ) - センキューベイベー (2019年1月27日 0時) (レス) id: 800d585497 (このIDを非表示/違反報告)
モンチ(プロフ) - 友達ちゃんと読んだよ〜 (2019年1月21日 20時) (レス) id: 800d585497 (このIDを非表示/違反報告)
モンチ(プロフ) - もなか。さん» でも前の方が好きは好きだったけど読みやすくなった?からいいかも (2018年3月13日 0時) (レス) id: 800d585497 (このIDを非表示/違反報告)
もなか。(プロフ) - モンチさん» はははw (2018年3月12日 23時) (レス) id: 0c54cee38a (このIDを非表示/違反報告)
モンチ(プロフ) - もなか。さん» 別人じゃ。 (2018年3月12日 23時) (レス) id: 800d585497 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:もなか。 x他1人 | 作成日時:2017年12月3日 18時