Because it is already late. "緑" (ページ36)

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居酒屋を出ると、そこはすっかり夜の街。

吐く息も白くなっていて、季節が変わってしまった事を感じた。

バッグを肩にかけ、ふらふらと歩き出す。

流星の時計を壊してしまった。

それも、大事なモノ。

そりゃあ、のんちゃんがあんなに怒んのも無理はない。

なんて冷静な事言ってる場合やない。

俺は何をしてんのや。

壊れて仕舞えばいいのに、
なんて考えてた自分を殴ってやりたい。

明日皆んなに謝らな。

最近本間にメイワクかけ過ぎ。

こんなんメンバーのお荷物確定やん。

「……病院行かな」

そうや、あの先生に診てもらお。

やっぱりもうちょっと早く行けば良かったんかな。

「……ちゃん…！」

交差点。誰かに呼ばれた様な気がして歩を止める。

信号は赤やった。危な。

でも、周りには誰もいいひんかった。

目の前には、たくさんの車が車道を走ってる。

数秒で青信号に切り替わった。

やけに人が少なくて、横断歩道を渡ってんのは俺1人。

病院……病院……

明日仕事の後行かせてもらお。

いや、もっとはよ行けへんかな。

だって、流星の時計を落としちゃったんも、ほら_________

「神ちゃん！！」

横断歩道の真ん中でピタッと止まる。

くるりと後ろを向けば、息を切らした流星が居た。

コートもなんも着てなくて、さっきの姿そのまんま。

焦って走って来たんか肩ではあはあと息してる。

なんで居んの。

一瞬ニコッと俺に笑いかけた後、すぐに顔が青ざめた。

何かあったんかと一歩踏み出した時

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俺の体の中で、ぐしゃっと何かが潰れた様な音がした。