Episode19.5 シャイガール ページ18
一条「あ…良かった、起きたな」
「◎△$♪×¥●&%#?!」
Aは目を覚ましたものの一条の顔を見るなり、飛び起きて言葉にならない叫び声を上げながら後ずさった。
一条「いや…ちょっと落ち着くんだ」
「さささ、さっきのって…」
一条「現実だ、ドッキリでもないぞ」
一条は呆れたように溜め息を吐く。Aはそれを聞いて顔をこれ以上無いほど赤くさせ、部屋の角で縮こまり、両手で顔を覆う。それに見かねた一条はゆっくりと立ち上がるとAに近付きAの近くへ行くとその場に腰を落とした
一条「A」
低い声で名前を呼ばれ、恐る恐る手を退かして一条の方に顔を向ける。
「は…はい…」
一条「相良の手元離れたら、彼女って公言していいか?」
「かのっ…」
その言葉だけでAは気を失いそうになる。
一条は自分がキッカケでAがヤキを入れられるような事は避けたかった。
一条(今はまだ、やっかまれそうで面倒だしな)
「そっ…それなら、なんで今、こ、告白を…?」
Aが聞くと、珍しく少し恥ずかしそうに目線を逸らして小さな声で答えた。
一条「…本当は成人するまでせめて隠しておこうと思ってたんだ…けど、とられそうな気がして嫌だったんだよ」
どこまでもAを大切にしようと考えての発言であることを察して、嬉しさと恥ずかしさが入り交じる。だが、とられると思ったとは何のことなのかAは見当もつかない。
「あの…兄貴…」
一条「?」
「付き合うって言っても、何をしたら良いんでしょうか…」
一条「…とりあえず、兄貴って呼ぶの辞めるところからやってみよーか」
「…い…」
一条「?」
「一…条…さん」
一条「俺のフルネーム知ってるよな?」
「…あの…恥ずかしいのでこのままじゃ駄目ですか…?相良の兄貴の前で間違えて呼んじゃっても嫌ですし…」
一条「…分かった、待ってるよ。」
「す、すいません…」
一条「でも」
「?」
一条「源十郎さんにだけは、明日報告しに行くぞ。」
「…っはい…」
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作者名:ひなえ | 作成日時:2022年7月11日 8時