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一条(どんなに可愛い舎弟でも…Aだけは譲れねぇ)
気が付けば一条は数歩歩いた先で、Aに電話をかけていた。
野島side
野島「今日の相良の兄貴…荒ぶってたね」
「すみません…気を遣わせて…」
少ししんみりとしたAの表情に野島は慌てる。
野島(わーっ!そんなつもりじゃ…!)
野島「でも初めてのカチコミで無傷で帰れたんだから凄いよAさん。僕なんか最初はボロッボロで…ははっ…」
「そんなことないですよ、運が良かっただけで…」
野島「言うじゃないか、運も実力の内って!」
「そういうこと…なんですかね?」
野島のその言葉をきっかけにAはクスリと笑う。その表情を見て野島の心臓は思わず跳ねる。
野島「そ、そうそう!だから…そのお祝いも兼ねてこれ頼みます?特上カルビ!」
野島(やっぱり可愛いなぁ…じゃなくて!Aさん…笑ってくれて良かった…。)
「良いねっ…頼みましょうか」
ニコニコとするAに釣られて野島も笑う。相良にこの現場を見られたら
「稽古もしねぇで仲良くお出掛けたぁ自信があるんだなぁ?」
とでも言われそうなほど楽しい雰囲気で食事ができた。
食後店の端に寄って少し話し込んだあと、また明日と別れようとしたところ、焼肉店のレジ前に置いてある飴をAが持ってきてくれていたらしく
「レモンとイチゴ、どっちがいいです?」
野島「あっ貰ってきてくれたんだありがとう…じゃあレモンで」
そう言われてAが飴を取り出そうとした瞬間、手元がくるったAが飴を落としそうになった。
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作者名:ひなえ | 作成日時:2022年7月11日 8時