Episode10 葛藤 ページ34
帰宅する際に一条の車に乗り込むと、最初にお願いしますと声を掛けて以降、Aは何も言えず俯いていた。
少ししてから気持ちを逸らそうと
「…雨風すごいですね…」
そう震え声で沈黙を破る
一条「そうだな…。これで直撃明日だってんだから明日は停電とかするかもなぁ」
出会ってから8年ほど、一条は厳しいことも言うが、基本的にはいつだって優しくて、頼れる人物であった、そのためAは一条を実の兄のように慕っていた。
それ故かその声を聞くだけで安心感に包まれ、涙を堪えきれなくなり、こらえていた涙が一粒、また一粒と零れてしまった。
それに気が付いた一条は突然ウインカーを出し、家とは違うところの角を曲がった。
(…?)
「兄、貴?」
一条「ちょっと、な。都合は大丈夫か?」
「え、はい…」
普段の一条ならば
「お子様は 早く寝なさい もう夜中」
とでも言いそうなところなのにその行動にAは少しばかり驚いた。
そうして車を走らせて辿り着いたのは一戸建ての住宅だった。ガレージを開けて中に駐車すると雨音が遮断され、風でガタガタという音だけが周囲に反響する。
「ここって…」
一条「そ、俺の家」
Aはその行動に驚く。本当にいつもの一条らしくもない。
一条「一人暮らしだから安心しろ。特に気を遣う必要はねぇ」
そういうと手招きされて一条の自宅に入る。
「お、お邪魔します…」
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ひなえ(プロフ) - 黄昏さん» 読んでいただき、ありがとうございます!亀更新ですがこれからもよろしくお願いします。 (2022年7月6日 14時) (レス) id: a16a1e4961 (このIDを非表示/違反報告)
黄昏 - 初めまして、「私、気が付いたら極道でした」を読ませて頂きました。とても、面白くて続編を楽しみにお待ちしております。 (2022年7月6日 3時) (レス) @page26 id: 7ec4680236 (このIDを非表示/違反報告)
みたぞの(プロフ) - オリ/フラ立ってますよ!!続編作ってもフラグのチェックが入ってしまいます!!確認して外して下さいね!! (2022年6月29日 22時) (レス) id: 5dcad8042f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ひなえ | 作成日時:2022年6月29日 18時