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軽い調子で答える一条を見てから、急いで胴着に着替え、縁側で休んでいる源十郎にお茶を出してから稽古部屋に向かい一条に向き直る。

「すみません!お待たせしました!お願いします!」

一条「うん、よろし…あれ?」

「?どうされました?」

一条「化粧してる…?」

「あっ…はい!この間姉さんに教わって、毎日するようになって…」

近寄ってきて興味深そうにじぃーっと顔を覗き込む一条に思わずたじろぐ。

「…兄貴…?」
(近い近い近い!!)

一条「あ、悪いな。意外だなと思って」

「変ですか…?」

一条「…いや、綺麗だと思うぜ」

はにかんで綺麗だと褒めてきた一条に思わず顔が熱くなる。そうハッキリと褒められると思っておらず、くすぐったいような気持ちになった。

一条side

一条(ん?化粧してる…?急にどうしたんだ?今度こそ本当に彼氏か?)

「彼氏でもできたのか?」

なんて聞けばセクハラだ!なんて思われかねない。そんなのは絶対に嫌だった。
というのも一条は常にAの前ではいつだってカッコいい背中を見せれる兄貴分でありたい。と思っているからだ。
それは一条でなくてもきっとまともな極道なら誰でもそうだろう。

一条(彼女もいつか素敵な誰かと出会って、ウエディングドレスや白無垢を着るのか)

と漠然と考えた。

そのたびにその時はやっぱり組内の誰かと結婚するのか、どんな奴を選ぶんだろう、等見えもしない、近いか遠いかも分からない未来を思う。

一条(鉄火場で生きる人間が、いつかも知れない未来を思うなんて馬鹿げてるよな)

そうは思うが

(不透明でも曲りなりでも、少しでもいいからAのそばにいたい。)

そしてその小さな心の声にも、その声の理由にも一条自身も気付いていなかった。

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ひなえ(プロフ) - 黄昏さん» 読んでいただき、ありがとうございます!亀更新ですがこれからもよろしくお願いします。 (2022年7月6日 14時) (レス) id: a16a1e4961 (このIDを非表示/違反報告)
黄昏 - 初めまして、「私、気が付いたら極道でした」を読ませて頂きました。とても、面白くて続編を楽しみにお待ちしております。 (2022年7月6日 3時) (レス) @page26 id: 7ec4680236 (このIDを非表示/違反報告)
みたぞの(プロフ) - オリ/フラ立ってますよ!!続編作ってもフラグのチェックが入ってしまいます!!確認して外して下さいね!! (2022年6月29日 22時) (レス) id: 5dcad8042f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ひなえ | 作成日時:2022年6月29日 18時

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