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好きなところは挙げればキリがない程、久我は真美に惚れ込んでいたのだ。
だからこそ気の所為だと思いたかった。
敬愛する姉貴分が「男と寝たかもしれない」なんて…。
そうして片付け終えて久我も喫煙スペースに行こうとすると
久我「っ…!」
真美がポケットのライターを探す際、舌でタバコを口端から反対の口端へと動かす癖が月明かりに照らされていやに艶かしく映る。
久我(それよりもっとすごい姿…男に見せたんですか?)
一瞬その姿に確かに妙な気を起こしそうな感覚に襲われるが、次に確定すらしていないにも関わらず嫉妬が湧き上がる。
久我「姉貴…」
「ん?」
久我「昨日、粛清の後って何してました?」
「んー?家に直帰したけど?」
久我(…嘘だ)
久我は直感でそれが嘘だと勘付いた。
だが、真美はその話題を逸らすように
「それよりさ、ちょっと火貸してくれない?ライターないのよね…。あれ気に入ってたのに…」
と言った。
久我(それよりって……この人、こっちの気も知らねえで…)
そんな苛立ちを隠しきれなくなり
久我「良いっすよ…じゃあこっち向いてください、姉貴」
と言って真美と向かい合うと
「ありが…!?」
久我は先に自分のタバコに火をつけ、真美の咥えたタバコの先に自分のタバコの火元をそっと押し付けたのだ。
さすがにこれには真美も驚いて目を丸くする。
久我「どうぞ、ほら、ちゃんと吸ってください、姉貴」
久我は口元に意地の悪い笑みを浮かべる。
「っ…」
驚きなのか緊張なのか微かに口元を震わせながらもジジ…と真美のタバコに火がうつる。
直後、真美はそれから逃れるようにバッと久我から離れて指先でタバコを口から離した。
「なっ…何を…!?」
久我「貸してって言われたんで貸しただけっすよ」
「それはっ…ありがとう、だけど」
正直に言えば、真美は久我の事は同じ組で距離感が近いからこそ「弟分」としてしか見ていなかった。
そのため、久我のその行動には心底驚いていた。久我は勿論、そう思われていることは想定済みだ。
久我「俺だっていつまでも坊やじゃないんですよ…姉貴。今日もまだ一本も取れませんでしたけど、俺はすぐにでも「姉貴より強い男」になって、姉貴を惚れさせますから…覚悟しておいてください」
「…!」
そう言って久我は吸いかけのタバコを灰皿に押し付けて火を消す
3→←(B)〜もう大人〜 久我 ⚠シャッフル企画第3段!その他注意あり!
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ひなえ(プロフ) - みぃさん» はじめまして!ありがとうございます!BはA、Cとは違い報われなかった片思いを引きずっているちょっと影がある女性として書いていますので、喜んで頂けたのなら幸いです😆 (12月30日 6時) (レス) id: a16a1e4961 (このIDを非表示/違反報告)
みぃ(プロフ) - の、野田の兄貴が...めっちゃいい! なんかちょっと切なくてめっちゃ好きです〜!! (12月30日 3時) (レス) @page29 id: 8a88aac5da (このIDを非表示/違反報告)
ひなえ(プロフ) - ゆずさん» ありがとうございます!私の一番の推しは一条の兄貴です😊産後にバグ大を知ったキッカケでもありましたので☺️ (12月14日 21時) (レス) id: a16a1e4961 (このIDを非表示/違反報告)
ゆず(プロフ) - 新作おめでとうございます!以前から気になっていたのですがひなえ様の推しキャラって誰なんでしょうか?😌 (12月14日 21時) (レス) id: 69150dbb82 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ひなえ | 作成日時:2023年11月28日 1時