２ ページ30
そんな日々を一ヶ月ほど過ごしていたある日、そんなAの邪魔をするかのようにスマホに着信が入った
「…ん？」
(この時間で電話…？間宮さんかな？)
そう思ったのだが画面に表示されていたのは、「真依」の文字。
真依はAの実の妹なのだが、実はAは家族との仲はよろしくない。
母親は瞬間記憶能力を持ち、テストをカンニングしたと決めつけて妹や弟と差をつけて接してきたし、弟の太一は母親がそう思うように先導さえしていたように見えていた。
父親は妹の真依ばかりを可愛がったし、真依はそれを分かっていた為親の前でも堂々とAをけなしたりした。
それが辛くて、家を出る際にも向こうも「どうでもいい」と言わんばかりの態度だったにも関わらず今更なんの用だと言うのか…Aは重い息を吐きながら電話に出る。
「…もしもし」
真依「あーお姉ちゃん？ワンコールで出てよ。本当にトロいんだから」
「…悪口を言うために掛けてきたなら切りますよ。」
Aは電話越しに聞こえるわざとらしい、いい女ぶった声にうんざりしながらも他人行儀で会話をすすめる。
真依「待ちなさいよ。ねえアンター、私今父さんと母さんと太一とご飯に来てるんだけどぉ」
「…それがなんです？」
真依「私達、財布忘れちゃったの。だから、アンタ今すぐ店に払いに来て。」
「…はい？」
その内容に耳を疑った。
真依「来ないってなら…あんたの写真、ばら撒くわよ？」
「写真…？」
Aにはまるで心当たりが無かった。
真依「あー知るはずないわよねぇ？数年前、まさか小遣い稼ぎの為に私があんたの入浴中の写真を撮ってた…なんて」
「なっ…！？」
真依「まぁ偶然パパ活でオッサン釣れたから使わなかったんだけどね…とっといて正解だわ」
その言葉に写真は嘘であるとAは確信した。
妹は稼ぎが出来たから、と使える種を使わずに置くような人間ではない。
Aが姉だからこそ、その為写真は嘘だとすぐに分かった。
店員「あの、お客様…お会計が１００万…」
太一「今財布呼んでんだよ！待ってろや！」
突然、電話越しに聞き覚えのある特徴的な声が聞こえる。
その声は間違いなく、実際に店舗の下見に行った際に現場にいた特徴的な声をした店員だった。
(まさか…！)
「…そのお店の名前は？」
真依「店？オペラシティよ。そういうわけだからさっさとしてね。」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 48人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ひなえ(プロフ) - 蘭さん» 喜んで頂けて良かったです！またお願い致します😆 (2023年1月9日 8時) (
レス) id: a16a1e4961 (このIDを非表示/違反報告)
蘭 - ありがとうございました!(^^)!本当に素晴らしいお話にしてくれて感激です！これからもこの作品を応援していきます！またリクエスト募集の時はよろしくお願いいたします！ (2023年1月9日 6時) (レス) @page50 id: e96f393873 (このIDを非表示/違反報告)
蘭 - 本当ですか！ありがとうございます、それでは楽しみに待っています！ (2023年1月8日 6時) (レス) id: 8aedf850ca (このIDを非表示/違反報告)
ひなえ(プロフ) - 蘭さん» ギリギリこちらに入りますので大丈夫ですよ😄 (2023年1月8日 6時) (レス) id: a16a1e4961 (このIDを非表示/違反報告)
蘭 - 出来ることなら私のリクエスト作品をこの6作目に載せることは出来ますか？更新が楽しみで待ち遠しいです！無理なら大丈夫です💦あっ、急かしているつもりは一切ありませんので💦 (2023年1月8日 6時) (レス) id: 8aedf850ca (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ひなえ | 作成日時：2022年12月18日 19時
