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なのにあまりに見つめてくるのでAは手で顔を覆う。
一条「なんとなく 隠さず見せろ もったねえ」
だが、一条の手はそれを許すことはない。Aの手を掴んで退けさせると尚の事ジッと見つめる。
幼い頃から知っているのだから、今更恥ずかしがるのもおかしいものかもしれないが、告白される時まで無意識だったが一条も極道の大先輩である以前に一人の男性だ。
それを理解して大人になった今、改めてあまり見つめられるとやはり恥ずかしい。
「毎回毎回…すっぴんなんか見て楽しいんですか…?」
一条「俺しか見れないんだと思うと嬉しいんだよ」
京極組の特に古参の人間はAが組に入る前から、彼女の存在を殆どの者が知っている。
普段から一条は滅多なことがない限り嫉妬はしないが、
その理由は性格的な事だけではなく、Aのことで自分だけが知っていることがある。という事実があるからでもあった。
一条「そうそう、元はコレ…店の人から頂いてな。Aに渡そうと思ってたんだ。明日の朝食べていくか?」
そう言って一条が取り出したのはAの好きな大和屋の味噌まんじゅうだった。
「わぁっ…!大和屋の…!ありがとうございます!」
パアッと嬉しそうに笑うAを見た一条は満足そうに微笑むのだった。
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作者名:ひなえ | 作成日時:2022年10月31日 0時