狂い咲く向日葵 (ページ12)

今日:2 hit、昨日:6 hit、合計:2,247 hit

Episode３　ないものねだりページ12

その後Aは一条に稽古をつけて貰っていたのだが、途中手の空いていたらしい野島と雛乃が稽古場へとやって来た。
そこでどうせなら全員まとめて稽古することとなった。

野島「わあっ！」

「うわっ！」

ドンッと体と体がぶつかり、野島と龍宮はその場で後ろに尻餅をついた。

「ご、ごめんなさい野島くん…」

野島「いや、僕こそ…」

一条「…休憩だ少し休もう全員で」

一条は感情の読みづらい顔でそう言った。

一条「二人がかりでこれとはな…。」

野島/龍宮「うっ…！？」

一条「でももう１段階上、あるだろ？藤崎」

藤崎「…どうしてそう思われるんです？」

一条「なんで質問を質問返しにすんだよ」

Aと野島の同期にあたる藤崎雛乃。
彼女はAの１つ年下で、清水よりも更に小柄な女性だ。京極組に入門した当初から彼女は野島やAはずば抜けて殺しに慣れており、死体処理や拷問等も異様に慣れていた。

その為気になったAや野島がどこかの軍にでもいたことがあるのか、出身はどこなのか等、質問したが自分の事は何一つ教えてくれない。

そして藤崎の稽古の為に、野島とAが二人がかりで藤崎から一本とろうとするも、挟み撃ちにしたと思えば、人間とは思えないほどの跳躍力で躱され、野島とAが虚しく正面衝突するだけだった。

そして個別で攻撃を当てようとどれだけ竹刀を振っても、とんでもない柔軟で躱されたり、彼女の指一本、髪の毛一本、触れることはできなかった。

野島「足捌きといい、攻撃といい…本当に早いな」

「何でそんな早く動けるんですか？体は柔らかいし…」
(正直めちゃくちゃ羨ましい…)

稽古の休憩中、少々折れかけた心を癒やすように大和屋で買った味噌まんじゅうを食べながら、野島が言い出したことに乗じて質問してみた。