ヒューマンバグ大学短編集４！ (ページ47)

今日:26 hit、昨日:39 hit、合計:34,483 hit

最後ですページ47

「そうですよ、じゃあ秋元さんに貰ったやつですけど二人で食べ…」

小湊「んー…そういうんじゃなくてさぁ」

「？」

小湊はそう言ってやっとAの手を解放する。

「え？？」

小湊「他の奴から貰ったやつじゃなくて、Aの作ったお菓子食べたいなぁ。」

時折時間があればAが手作りするクッキーが小湊は大好きだった。それを知ってはいるが、お菓子を貰って小湊と楽しもうと考えていたAはその用意はなかった。

「えっと、すみません。今日はお菓子もらう前まで忙しくて作れてないんです…」

そう言うと小湊は一瞬残念そうな顔をしたと思いきや、すぐにどういう訳か、いつもより楽しそうな顔になった。

小湊「じゃあ悪戯していいってことだよね？」

「…え？」

小湊「だってハロウィンってそういう日でしょ？」

「こ、このチョコレートで…」

小湊「だーめ★」

(え！？悪戯って言いながら斬られるの！？怖い怖い怖い！)

恐怖で後ろへ下がるも、一歩引けばまた一歩進まれ、距離は開くことがない。

(き、きりが無い…！)

一か八かでAは背を向けて一目散に駆け出した。
しかし、それがいけなかった。
即座にガシッと腕を掴まれ、人気のなかった資料室へと押し込まれた。

「ひっ…！？」

小湊「そんな怖がらなくていいじゃん。」

そう言うと電気もついていない資料室でAをトンと棚に押しやり、Aの両足の間に片足を滑り込ませた。
廊下から溢れる薄明かりが小湊の顔を照らす。

そして片手でそっとAの頬に手を添えた

「え、あの、圭一くん…？」

小湊「これが悪戯」

そう言ってそっと唇を重ねた。

〜おまけ〜

小湊「これで、悪戯分は終わりね」

「…ん？悪戯分？」

小湊「他の奴らに仮装した姿見せて回ってたらしいじゃん…妬けちゃうなぁ」

(なんで知ってるの！？)

そう言ってAの額や頬にキスの雨を降らせた。彼女が開放されるのはまだ少し先の話。