ヒューマンバグ大学短編集４！ (ページ28)

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最後です。ページ28

ただ今日はミスが続きすぎて辛かったんだろう…。
俺と兄貴達は給湯室の前で再度顔を見合わせた。意を決した龍本の兄貴が給湯室のドアをノックした。

龍本「お嬢、開けますよ。」

「っ…龍本さん…」

やはり泣いていたらしいお嬢は目を赤く腫らしている。

龍本「お嬢…少しよろしいですか？」

「すみません私逆に仕事増やしちゃってばっかりで…」

龍本「お嬢、ご無茶をなさらなくて良いんですよ。お嬢のお気持ちは十分に伝わっていますから。それに、その心遣いだけで俺達は救われていますよ」

「龍本さん…」

伊武「お嬢がご用意してたのは…ん？見たことがあるようなロゴですねえ…」

阿蒜「あっ…これ、前テレビが取材にも来てた、駅前のお店のやつですよね」

伊武「店が分かるんだな亜蒜。なら同じものを買ってこい。３分以内に。」

阿蒜「３分！？」
阿蒜(ここからその店に行くには５分は掛かるのに！？)

「え、でもそんな…」

伊武「お嬢がご持参くださるお茶菓子は、毎度美味しい物ばかりですから…一緒に食べて気分転換しましょう。…早く行ってこい阿蒜」

阿蒜「しょ、承知しましたぁ！」

俺は走った。全速力で走った。すると店の近くで見回りをしていた柳楽の兄貴に出会したんだ。

柳楽「亜蒜じゃねえか…、どうしたんだそんなに急いで。」

亜蒜「柳楽の兄貴！実は今お嬢がいらしてまして！お茶菓子を落としてしまったので買いに…」

柳楽「何？お嬢が…。そうか、なら俺も行こう」

そう言って柳楽の兄貴と店に入り、何だか想像の倍の量のお菓子を購入して事情を説明しながら事務所へ戻った。

阿蒜「お、多くないですか…？」

柳楽「何を言ってんだ、お嬢が来てるなら沢山買うに決まってるだろうが…」

阿蒜(そ、そうなのか…！)
阿蒜「しょ、承知しました…」

事務室に入るとすっかり涙が止まった様子のお嬢を見て、一安心と思いきやすぐに伊武の兄貴の視線で俺は凍りつく。

伊武「阿蒜、３分以内って言ったよなあ？遅刻するとは…」

「待ってください！伊武さん、沢山買ってきてくれたみたいだし…なかなか距離もあるわけですし…ね？」

伊武「…お嬢がそう仰るなら…」

お嬢のお陰でヤキは免れ、このあと皆でお茶菓子を食べながら楽しい時間を過ごしました。本当お嬢には頭が上がりません。

〜おまけ〜

お茶菓子を頬張りながら

「美味しいですね！ほら、これとか可愛いですよ！」

４人(お嬢が一番可愛いです…！)