ヒューマンバグ大学短編集４！ (ページ24)

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〜優しい彼も怒ると怖い〜　小峠夢/ギャグ　ページ24

俺の名前は小峠華太

小峠(明日の予定は野田の兄貴に言われてたアレと…)

ここ数日激務続き故に帰宅時間がめちゃくちゃ遅くなり、休息すら満足に取れず、心身が疲弊しているアラサーの極道だ。

小峠(くそが…喉が痛え。)

最近、どうにも忙しい。カタギに食って掛かる北岡を止めたり、なにかとんでもねえミスをしたらしい速水のフォローに回ったり…いつものことながらやけに件数が多い。

小峠(兄貴達も少しは手伝ってくれてもいいのによ…)

なんて、言った瞬間物理的に首が飛ぶから言えたもんじゃねえが…。
怒鳴る機会が増えたせいかやけに喉が痛む。腹から声を出していようと喉もやられるもんなのか？そんな疑問を抱きながら家に帰った。すると明かりはついているのにやけに静かだった。

小峠「ただいま…A？」
小峠(なんだ？電気つけたまま寝ちまったのか…？)

そう思って寝室を開けてもAの姿は無く、電気がついたままのキッチンを開けた。すると…なんとAが血塗れの中で倒れていやがったんだ。

小峠「なっ…Aぃっ！！」

俺は慌てて足をもつれさせながらAに駆け寄って抱き起こす。

小峠「A！わかるか！？しっかりしてくれ！A！」
小峠(どこの仁義外れの仕業だ…くそがぁっ！)

「…ﾌﾟｯ…ﾌﾌﾌｯ」

小峠「……ああん？」

今…笑い声がしなかったか？

「あははははっ！びっくりした？」

そして何事もなかったかのようにむくっと起き上がって大爆笑し始めるA。

小峠「………」

「いやぁ実はトマト缶零しちゃったからさ。どうせならと思って死んだふりしてみたの…どうだった？」

小峠「………」

「あれ？華太さん？」

小峠「A…」

俺は初めて恋人相手に血管が切れるかと思うほど血が上った。だが怯えさせたいわけじゃねえ、怒鳴らねえようにゆっくり言葉を紡ぐ

小峠「A…いい度胸してんじゃねえか…」

出来るだけ圧を与えないよう、俺は笑顔を取り繕う。
Aは俺の顔を見て何かヤバいと気がついたらしい。だがな…そんなもん気付いたところで後の祭りだ。

「じょ、冗談だよ！？ね？華太さ…」

小峠「極道に冗談で死んだふりなんざ…やっていい事と悪い事もわからねえのか？」

「そ、そんなに怒ると思わなくて…ご、ごめんｎ…」

小峠「言い訳は聞かねえ」

カンナで削る？灼熱ドンペリ？電動ドリル？そんなことはしねえ。だが…