ヒューマンバグ大学短編集４！ (ページ22)

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〜Blood　🍅〜　久我夢（怜希　様リク）ページ22

その日の前夜、翌日が休みになったので二人で久我の家で映画鑑賞をして、そのまま久我の家に宿泊していた。
映画の感想を話し合っている内にAはウトウトとして久我にもたれて眠ってしまった。

久我「おいおい……。まぁ今日も忙しかったしなあ…」

久我はそう言うとAをベットへ運び、自身も横になるとすぐに眠りについた。

そしてその翌朝…ガシャーンッ！というけたたましい音で久我は目を覚ました。

久我「おわっ…なんじゃあ！？」

慌てて飛び起きて、念の為にナイフを持って音のしたキッチンへ向かう。
寝起きなため少し足元が覚束ないが、そんなことを言っている場合ではなかった。

久我「どこのもんじゃあ！カチコミかおらぁっ！」

そしてキッチンへとやってきた久我は戦慄した。

久我「って…うわああっ！Aっ！」

「あ、こ、虎徹さん…」

そこにいたのは胸部〜腹部を真っ赤に染め、それとは対象的に顔色を真っ青にさせて屈み込んだAだったのだ。

久我「何が…何があった！？」

「虎徹さん違」

久我「喋らなくていい…すぐに医者に連れてってやる…！」

「待って虎徹さん！」

久我「？」

「これ…トマト缶落としちゃっただけなの…」

久我「え？トマト？」

Aがそう言って指した先には言葉通り、無常にも転がったトマト缶。
そしてキッチンマットや床にはベッタリとトマトが溢れていた。

久我「…っはぁー…」

「あ、あのごめんね…お家汚しちゃって…」

いつものにこやかな顔を一変させ、眉を下げて恐る恐る久我に声を掛けた。

久我「はぁ…ったく…ふざけんなよ…」

(怒ってるかな…ってそりゃ怒るよね…)

久我「カチコミにでもあって刺されたのかと思ったろうが…。」

久我がほ〜っと息を吐きだしながら安心したようにぼやくと、床を掃除するためのウェットティッシュを持ち出した。

「えっ？えっと…」

久我「ん？どうした？A、早いとこ掃除しちまうぞ。」

「う、うん…。あの、怒ってないの？」

久我「んなことで怒らねえよ。なにか作ろうとしてくれてたんだろ？」

「うん、ミネストローネを作るはずだったの。」

久我「で、落としちまったと。」

「うん、本当にごめんね…」

久我は珍しくシュンとするAの頭を撫でて

久我「気にしなくていいんだよ。それよりトマトついちまってるエプロン脱いどけ。」