ヒューマンバグ大学短編集４！ (ページ3)

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続きですページ3

秋元「あ、お目覚めですかー？」

「！？」
(だれ！？)

高城「おい秋元、近いぞ。抜け駆けすんな。」

秋元「まだ何もしてないですよ。」

秋元と呼ばれた男は軽い調子で返事をする。

「あ、あの貴方達誰なんですかっ…！？ここはどこなんですかっ！？」

細身の男の方は「よくぞ聞いてくれました！」とでも言わんばかりの顔をする。

秋元「俺は秋元詩郎、よろしくねー」

高城「俺は高城蓮太郎だ。ここは俺達破亜裂火の事務所だ。」

「破亜裂火…？な、何が目的なんですかっ？」

Aはカタカタと小刻みに震える。というのも、自分にこういうタイプの知り合いは存在しない筈だし、一般人であるAには破亜裂火と言われても何が何やらなのかさっぱりだが、彼等の雰囲気から只者ではないことは分かった。

高城「そう怯えなくていい。俺達は悪だがあんたを殺したりはしねえからな。」

秋元「高城さんの言うとおり。俺達はただ…君に一目惚れしちゃっただけなんで、酷いことはしないから安心してよ」

不気味なほど口角を上げてニッコリ笑う秋元と、表情の硬い高城は正反対のように見えるが、瞳に宿す眼光は似通った空気を纏っている。
殺さないと言えど何をされるのかわかったものではない為、Aは警戒心を解くことはない。それを悟った高城が口を開く

高城「俺達はまぁ簡単に言えば喧嘩好きな集団だ。」

「…」

秋元「高城さーん、そんな言い方したら余計怯えますよ。大丈夫、Aちゃん、君を痛めつけたりはしないから。」

「なんで名前…！」

秋元「あ、身分証見せてもらったよ、住所も職業も特定済み。」

「も…目的が、わかりませんっ」

高城「だから言ったろうが。一目惚れしたから連れてきた、それだけだ。」

「ど、どこかに売り飛ばすとか…」

秋元「いやいや、一目惚れしちゃったような子を売ったりしないよー。心外だなぁ。」

(そもそも一目惚れしたからって拉致する奴があるか！)と言いたい気持ちをグッと堪え、一度深呼吸をして、ここから逃げる方法を考える。
相手は男性二人だ。普通に逃げようと思ってもまず無理であろうことはひしひしと伝わってくる。

「…仕事があるので、お返事は今度でいいですか？今日は大事な接待があるので…ここから出してくれませんか？仕事が終わったら戻ってきますんで…」