ヒューマンバグ大学短編集４！ (ページ17)

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〜Blood 🍅〜一条夢　（怜希様リク）ページ17

そこは閑静な住宅街に佇むごく普通の一軒家。
仕事を終えて帰宅後、のんびりと椅子に座っていた一条だったが、突然ブーッブーッとバイブ音を立ててスマホが鳴った。

「あ、電話鳴ってますよ。」

一条「ん…？虎徹か、どうした？」

帰宅してそんなに経っていないのもあり、呼び戻しになりそうかと考えて、一条は少し顔を曇らせながら電話に出た。

久我『一条の兄貴…すみません。実は佐古がやらかしまして…俺一人だと対処がしきれなくて、今から出てきて貰えませんか？』

一条「ん。わかったよーん。事務所でいい？」

久我『はい、お願いします』

一条「はーい」

軽い調子で返事をすると一条は電話を切った。

「お仕事ですか？」

一条「佐古がミスやらかしました仕事です。…ごめんな、夕飯後でもらうよ。」

「分かりました、待ってますね」

一条「もしかしたら遅くなるかもしれない。夜更かしは良くない。もし遅かったら先に寝とけ。な？」

「…んー…はい。」

一条はいい子だ、とぐりぐり頭を撫でてから靴を履き、額にキスを落として出掛けていった。一条を見送ったあと、風呂などを済ませ、少ししてから

(そうだ…じゃあ…この間美味しいって言ってくれたトマトカレーにしちゃおう)

ゴソゴソと棚から食材を取り出してAは調理を始める。
食材の下処理を済ませ、肉と野菜を焼いてから水を加えてトマト缶をいざ開けた、その時だった。
想像以上にトマト缶が開かず力んで缶を開けると…ブシャッという嫌な音ともに、トマト缶がAの顔目掛けて噴射した。

「きゃっ…！」

そこからさらにトマト缶を落としてしまい、ベチャッという嫌な音を立てて床やエプロン、周囲にトマト缶の中身が飛び散ってしまった。

「…。」

その悲惨な状態に呆然とした後、片付けようと一先ず同じくトマトがついてしまった包丁を手に持った瞬間、想像以上に早く事が片付いたらしい一条が帰宅した。

一条「ただい…ま……！？」

「あ…こ、康明さん…」

そして手に包丁を持った血(トマト)塗れの姿のAを見て表情が戦闘時のような表情になり、ロングナイフに手を伸ばす。

一条「A、怪我はないか？犯人は？殺ったのか?遺体はどうした？何があった？」

一条は本来帰宅すればホワンとした笑顔をまず見せる。それがこの時ばかりはAが血飛沫を浴びたようにしか見えず、矢継ぎ早にAを質問攻めにした。