ヒューマンバグ大学短編集４！ (ページ2)

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〜寵愛〜　髙城/秋元/夢　（もっち様リク）ページ2

半グレ組織羅威刃の傘下となった破亜裂火のアジト、ここは見るからに廃墟で、増してや半グレが巣食っていると聞けば、普通に考えて近寄る人物はまずいない。

しかし、一人の女…AAはそれら全てを分かった上でこっそりと頻繁に近くを訪れていた。

「いるかな…」

Aが呟いて猫缶をガラガラと鳴らすと、たちまち集まってくる野良猫達。

「ふふっ…おまたせ、いっぱい食べてね。」

ニャーニャーと小さく鳴きながら集まる猫の頭を撫でる。そして一通りご飯を食べる姿を見届ける。それこそが彼女の仕事前に行っている日課だ。そしてそんな彼女を建物の中から見つめる２つの影

高城「また居るな、あの女。」

秋元「肝の座った女もいるんですよねぇ。ってか、高城さんいっつもあの子が来る時間になると窓から覗いてますよね」

高城「…お前だって先週あいつがなかなか来なかったとき、窓の外チラチラ見てただろ。」

秋元「あーやっべ、バレてました？可愛いですよね、あの子」

秋元はヘラリと笑うが、窓の外にいるAを見てその眼差しは真剣そのもので、高城もそれは同じだった。

秋元「俺的にこのままはまずいと思うんですよ。」

高城「なんだと？」

秋元「だってあの子よくこの辺に来るから、城ヶ崎さんに見つかったら「欲しい物はどんなことをしても手に入れる」って拐うんじゃないですか？」

高城「それは大将のモノマネか？だがそれもそうだな。…なら…」

高城/秋元「取られる前に…拐うか/拐いますかぁ」

ニヤリと笑った二人に気付くことなく、Aは猫にご飯をあげ終えた。

「また来るね」
(さて、仕事行かなきゃ…)

そう言って帰ろうとした、その時だった。

秋元「そこのおねーさん」

「っ！？」

声を掛けられたと思えば凄いスピードで口と鼻をハンカチのような物で覆われ、Aの視界は暗くなった。
高城はAの荷物を見て、Aの身元を確認する。

秋元「AA…年齢は２１歳、職業は〜」

高城「とりあえず人に見られたら面倒だ、早く連れて行くぞ。」

そう言って高城はAを軽々と抱き上げると、スタスタと歩き事務所の中へと連れ込んだ。

(あれ…ここは…？)

目が覚めると、全く見知らぬ天井が目に入る。

眠気なのか頭がぼんやりとしながらも、簡易的なベットから体を起こすと、そこは少し薄暗く、どこかの事務所のようだった。