〜デート〜 一条夢/甘 ページ11
一条「へぇ、こんなところもあるんだな」
「康明さん、あっちはドイツ風らしいですよ」
今二人は隣県にある大型の公園に来ていた。
公園では季節の花々が咲いており、黒焉街では吸うことのないような澄んだ空気をしている。
一条「それにしてもA、よくこんなところ知ってるな」
「黒焉街周辺は人混みだらけなんで、たまには人通りの少ないところと思って探したんですよ。ここも日曜日は人すごいらしいですけどね」
一条「へぇ、そんなに楽しみにしてたんだ?」
「うっ…はい。ってか康明さんは…楽しみじゃなかったんですか?」
一条「ん?楽しみにしてるぞ。毎日」
「毎日?」
一条「会ってない時間、いつも次に会う時を楽しみにしてんの」
恥ずかしげもなくそんなことを言われたAは顔を真っ赤にする。翻弄されてるなぁと感じつつ薔薇を見つめる一条の横顔を思わず見つめてしまう。すると、近くを歩いていた二人組の女性がこちらを見て話しているのに気がついた。
通行人「ねぇ、あの人かっこよくない?」
通行人B「イケメンだよねー、隣の子彼女かな?」
通行人「なんか…釣り合い取れてなくない?」
(声落としてるつもりかもしれんけど聞こえてるからな!…やっぱり、人から見て釣り合ってないんだな…。まぁ康明さん強いしイケメンだし、本当はもっと…)
一条「A?」
「へ?は、はい」
一条「疲れたか?向こうにベンチあるから休むか?」
「大丈夫ですよっ…ちょっとボーッとしてただけです」
そう聞くと一条は周りを軽くチラっと見渡し、Aの顔を見た。
(ん?康明さんから一瞬殺気が出たような…気のせいか)
一条「A、あっちにあるボート乗らないか?」
言うが早いか有無を言わさずに半ば強引に(恋人)の手を取り指を絡める。
「康明さんこれ…」
一条「ん?嫌?」
「嫌じゃないです」
一条「ボート一台お願いします」
チケット売り場でボートのチケットを買うと、颯爽と乗り込んだ。
一条「ほら、段差あるぞ」
そう言ってAに手を貸しつつボートに乗せると、オールをこいで沖から離れたところまで進んでいく、やがてどんどん人が周りにいなくなる。
「意外ですね、こういうの好きなんですか?」
一条「まぁせっかくカタギのフリしてるんだし?デートらしいことしたいじゃん?」
「そうですね」
一条「なぁA」
「はい」
一条「そろそろやめないか?それ」
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ゆう - 一条さんのプロポーズに惚れました!!!! (2022年11月1日 18時) (レス) @page33 id: 945705f77e (このIDを非表示/違反報告)
鈴 - 一条さぁぁん!!プロポーズが素敵ですぅぅ!! (2022年8月6日 6時) (レス) @page33 id: e9f5fada24 (このIDを非表示/違反報告)
もっち(プロフ) - 一人一人の話が長くて好きです!更新待ってます( ^ω^) (2022年7月13日 15時) (レス) @page7 id: 52318af24f (このIDを非表示/違反報告)
夢女子うさこ - 嗚呼嬉しいです相良さんいないの多かったので嬉しいです! (2022年5月29日 23時) (レス) id: 2580a6b5e0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ひなえ | 作成日時:2022年5月27日 13時