ヒューマンバグ大学短編集！

〜卑怯者でも時には〜　相良夢/甘?　※暴力、オリキャラ注意 ページ39

※入門１年目の二人が付き合う前の設定です

相良side

「…ひっ…！」

相良(ちっ…気持ち悪い野郎だな…)

佐藤「ほら掃除さぼんなよ！A！」

「は、はい…」

京極組初の女極道、Aは相良と同じ部屋を掃除中、素行の悪いとされる佐藤に日頃から執拗なセクハラを受けていた。

一度離れると椅子に腰掛けて舐め回すようにAを見る。

カタギに迷惑は掛けれない、かといって大した上がりもない佐藤は、周りに自分より目上がいなければ、度々Aに気持ちの悪いセクハラをしていた。

Aはといえば、先輩相手では強く言うわけにもいかず、されるがままになるしかなかったのだろう、唇をかみしめて耐えていた。

相良(あいつより殴らずに我慢してるAの方がよっぽどすげぇよ…あーくそっ！ぶん殴りてぇ…)

相良はその様子をチラチラと伺いながら、不思議とこれまで感じたこともないようなイライラを募らせていた。

相良(任侠に生きろっつー親分の教えが何も生きてねぇ…何でこんな奴を兄貴って呼ばなきゃならねぇんだ。第一…Aはあんなに嫌がってんじゃねぇか…。)

佐藤「おいA、ホコリ残ってんだろうが。詰めが甘いなおい」

「…すみません」

佐藤「くっそ無愛想なやつだなー！もっとニコニコとか出来ねぇのかよ！？とりあえず掃除終わったらちょっと来い…お前ちょっと再教育必要だわ…」

そう言って立ち上がった佐藤はニヤケ顔をして、大胆にもAの胸に手を伸ばした。

「っ…！！」

チラッと見るとAの目つきは険しくなり、目には今にも零れそうなほどの涙を溜めている。

佐藤「おいなんだA、その目は?」

相良(たった一言…助けてほしいって言ってくれりゃ、俺にだって何か出来るかもしれねーのによ…。)

そんな考えが脳裏をよぎる。

相良(…って何らしくねぇこと考えてんだ俺！)

佐藤「おい相良ァ！オメーも来るか？お前も教育係目指すならこいつ使って教育のノウハウを…」

その言葉に相良の中の何かがキレた。考えるより先に体が動いていた。
相良は窓を拭くのに利用していた汚水の入ったバケツを掴み、佐藤の元へ歩み寄ると、その汚水を佐藤の頭にぶっ掛けたのだ。

・→←〜泣き顔より笑顔〜　一条夢/ギャグ/甘

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す