140話inアメリカ ページ6
「ちょ、都築！？一体どこに…」
ロゼはAの後を追うように小走りでついていく。
『あ、ここ。来る時に気になってたの。』
そう言って指差したのは大人っぽい洋服が並んだアパレルショップ。
予想外の場所にロゼは口をポカンと開けている。
Aに早くと促され、店内に入るとどれもこれも自分好みのものばかりで思わず目をキラキラさせる。
「これ、凄く素敵。」
無意識に手を伸ばすも、同級生たちに言われた言葉を思いだして俯く。
「(私なんかが着たら勿体無いし、第一似合わないわよね！危なかった！)」
その光景を見ていたAは商品を覗き込む。
『それ良いね。着てみてよ。』
「え！？いや、私は着ちゃだめよ。服の魅力が半減しちゃう。」
『そんな事言ったら誰も着れないよ。それに自分が好きなもの、良いなって思ったものを着て良いんだよ。誰かに評価されるために着るんじゃなくて、自分が楽しくなるものを着たら良いんだよ！』
優しく笑うAの顔を見て、もう一度商品に手を伸ばす。
「(私のために…。まだ自信はないけど、都築の前でなら大丈夫かも。)分かった。」
試着室に入るロゼを見送り、自分も店内を見て回る。
すると数分経って声が聞こえた。
『ロゼ？良かったら見せて。』
そう声をかけるとカーテンが開いた。
『わぁ、似合うよロゼ。』
雰囲気がガラッと変わり、服装だけで別人のようだった。
「でも、他の子だったら良いけど、私は胸が大きすぎるから…」
『ロゼが良いなと思うなら全然着ていいんだよ。』
見せつけちゃえばいいの！と笑うと、ロゼの表情が変わった。
「うん、うん。そうよね。私はこういう服が着たかったの！！周りの目を気にしてコンプレックスを隠す必要なんてないわ！！」
元気に笑い「もっと買ってやる！」と叫んだ。
「ごめんね都築、沢山連れ回してしまって…」
『いいよいいよ、気にしないで。でもこっちがロゼの素なんだね。』
「うん、自分の個性に自信が持てなくて、周りとの目標への意識から距離も感じちゃってさ。でも
もう挫けない、私を馬鹿にしたやつ全員ぶっ潰してやるわ！！」
そう笑顔でいう彼女にAもつられて笑顔になった。
――――――――――――――
――――――――
「おいレオ！！ホルモンのやつやべーぞ！」
教室に入るなりグループの奴が言ってくる。
「なに？ホルモンがどうし、た…」
そこにはフードを被り身を小さくしていた筈の彼女が堂々と座っていた。
141話inアメリカ＆illustration→←139話inアメリカ
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 700人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ヒロアカ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
にのに - ご結婚だぁぁあ (2020年9月14日 10時) (
レス) id: 85146adaec (このIDを非表示/違反報告)
MAKEOVER(プロフ) - ハゲ！ばか！さん» ありがとうございます！嬉しいです＾＾ (2020年3月25日 22時) (レス) id: 6f5c55dffc (このIDを非表示/違反報告)
ハゲ！ばか！ - 大変よいですね！ (2019年11月16日 20時) (レス) id: 16f3197883 (このIDを非表示/違反報告)
MAKEOVER(プロフ) - 夢桜さん» 応援ありがとうございます！最初から読んで頂いてるなんて凄く嬉しいです＾＾！ラストスパートですので、完結までお付き合いいただけると嬉しいです！ (2019年8月28日 0時) (レス) id: 6f5c55dffc (このIDを非表示/違反報告)
夢桜(プロフ) - ひえぇ！！まさか2年の体育祭を見れるとは思いませんでした！！最初から読ませて頂いてます！とても内容などが好きです！！これからも無理はせず頑張って下さい！！ (2019年8月26日 13時) (レス) id: 505f8e7c76 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：MAKEOVER | 作成日時：2018年7月8日 14時
