77話 ページ35
『ごめんね勝己、お待たせ。』
「おせえ…よ。」
よくよく考えれば私服のAと出掛けるのは今回が初めてだ。
小さい頃はいつもだったが、大きくなってからは一度も見ることはなかった。
上は白の７分にスカートはパステルカラーの水色、そして少し大きなベルトをしてウエストの
細さを強調していた。
『どうしたの？』
「っ何でもねぇよ。」
そう言って先に玄関を出たが、Aも鍵を閉めて勝己の横を歩く。
『今日のご予定は？』
「特に決まってねぇ。」
『そうなんだ、てっきり買い物の付き添いかと思った。』
他愛もない話をしながら駅に着き電車に乗りこんだ。
Aは移り行く景色をその青い目に映している。
「あの子すっごく可愛くない？」
「俺超タイプ。」
「おい彼氏いんじゃん。」
女子中学生のグループ、高校生男子のグループ、カップルがAに視線を送っている。
当の本人は気づいていない様子。
勝己は自分好みと言った奴らを一瞥して舌打ちした後、
あまり周りに見えないようAの後ろに回る。
「てめぇは少し自覚しろや。」
『…ん？』
そう顔だけ自分に向けた瞳はとても綺麗で、吸い込まれてしまいそうになる。
勝己はぷいっと顔を避けて
「そう言うところだボケ」と呟いた。
都心部に着くと、映画を見たり、ランチをしたりとノープランなわりに充実した時間を
過ごすことができた。
そしてウィンドウショッピングをしていると、とあるブライダルジュエリー専門店で足が止まる。
「…どうした。」
『いや、親がつけてた指輪ここのだってみずさんから聞いてたからどんなかなって。』
その雰囲気を察したのか、勝己は店の中に入っていく。
『勝己…？』
恐る恐る着いていくと、そこにはどれも綺麗なデザインの指輪が並んでいた。
Aは目をキラキラさせて夢中で指輪をみていた。
「随分とお若いご夫婦さんですね。」
『ふ、夫婦じゃないです！綺麗でちょっと見てみたくて！！』
思いがけない言葉に思わずテンパる。そしてすいませんでした！と言って勝己の手を引き店を出た。
『びっくりしたっ！』
「…そんなに夫婦が嫌かよ。」
何故か不機嫌になった勝己にAは首をかしげる。
『だって私達１６歳じゃん。』
その言葉に思わず目を開き、そしてため息をつく。
「…そこじゃねぇ。」
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それいゆ(プロフ) - 風速100�辰気�» 楽しんでいただけて幸いです！これからも少しずつですが更新していくので良かったら見ていってください＾＾ (2017年9月30日 18時) (
レス) id: 6ca5e17515 (このIDを非表示/違反報告)
それいゆ(プロフ) - 海苔巻さん» ありがとうございます＾＾とても嬉しいです＾＾！頑張ります！ (2017年9月30日 18時) (レス) id: 6ca5e17515 (このIDを非表示/違反報告)
風速100��(プロフ) - オチが誰になるのか考えながら楽しく読ませていただいてます！これからも更新頑張って下さい(^ ^) (2017年9月9日 20時) (レス) id: 345fc05a24 (このIDを非表示/違反報告)
海苔巻(プロフ) - このお話本当に大好きです！更新頑張ってください！! (2017年9月4日 21時) (レス) id: f9e32566f1 (このIDを非表示/違反報告)
それいゆ(プロフ) - 神楽と来夏さん» ありがとうございます＾＾そう言って頂けて嬉しいです！ (2017年8月26日 19時) (レス) id: 6ca5e17515 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：MAKEOVER | 作成日時：2017年4月9日 15時
