67話 ページ23
「そうか。」
俺はその小さな頭に手を置いて優しく撫でる。
すると後ろから男女の声が聞こえたので、なんとなく子供を見えないようにした。
「全く…いっそAも連れてってくれれば合法的に遺産が全部手に入ったのに！！」
「そうだな、まだ両親が居なくなって１週間しか経ってないのに落ち込んだそぶりもない。
不気味な子だよ。」
その言葉に思わず体が反応する。
「(遺産がどうとか言ってたな…こいつの親戚か…？)」
頭では冷静で居なければと思っていても沸々と怒りがこみ上げてきて、体が動き出した。
『お兄ちゃん、おなまえは？』
まるで行っては駄目というように、俺のズボンの裾を掴みながら笑顔で聞いてくる。
「…相澤消太だ。」
『わたしはつづきA！A、消太お兄ちゃんみたいなヒーローになりたーい！』
そう言って足元で両手を広げながらぴょんぴょん跳ねるA。
………可愛い。
無意識にAの脇に手を入れ、抱き上げる。
「…俺はまだヒーローじゃねぇよ。」
『Aにとってはヒーローだったぁ！！』
そう言って今度は顔に抱きついてくる。
「A！」
遠くから女性の声が聞こえ、段々足音が近づいてくる。見えないけど。
「す、すいませんうちの子が！」
その言葉と同時に視界が広がった。目の前にはどことなくAと似ている２０代位の女性が立っていた。
『みずさん！あの時このお兄ちゃんが助けてくれたんだよ。』
「！そうだったんですか！本当に、ありがとうございました。」
その安堵した表情に先程の男女とは違ったものを感じた。
「いえ。…あの、部外者がこんなこと言うのもどうかと思うんですが、こいつどうなるんですか。
さっきこいつの名前と遺産がどうこうってのが聞こえてきてしまって。」
するとみずと呼ばれた女性は困った顔をしながら「A、向こうの中庭に綺麗なお花が咲いてたから摘んでおいで。」と席を外させた。
「…あの子、笑ってるでしょ。」
「…はい。」
「凄く頭が良いから、全部分かってるのよ。他の親戚の方が何をしたいのか。弱い所を見せたらつけ込まれる、そう思っているのかもね。」
「じゃあ泣いたことは」
「ないわよ。」
私たちの前だとね、と眉を垂らす。
そして少し間を空けた後、真剣な表情をこちらに向ける。
「Aは私が責任を持って育てるわ。姉さんの大事な子だし、それに
私あの子が可愛くって仕方ないのよね。」
少し頬を赤らめながら嬉しそうに微笑んだ。
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それいゆ(プロフ) - 風速100�辰気�» 楽しんでいただけて幸いです！これからも少しずつですが更新していくので良かったら見ていってください＾＾ (2017年9月30日 18時) (
レス) id: 6ca5e17515 (このIDを非表示/違反報告)
それいゆ(プロフ) - 海苔巻さん» ありがとうございます＾＾とても嬉しいです＾＾！頑張ります！ (2017年9月30日 18時) (レス) id: 6ca5e17515 (このIDを非表示/違反報告)
風速100��(プロフ) - オチが誰になるのか考えながら楽しく読ませていただいてます！これからも更新頑張って下さい(^ ^) (2017年9月9日 20時) (レス) id: 345fc05a24 (このIDを非表示/違反報告)
海苔巻(プロフ) - このお話本当に大好きです！更新頑張ってください！! (2017年9月4日 21時) (レス) id: f9e32566f1 (このIDを非表示/違反報告)
それいゆ(プロフ) - 神楽と来夏さん» ありがとうございます＾＾そう言って頂けて嬉しいです！ (2017年8月26日 19時) (レス) id: 6ca5e17515 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：MAKEOVER | 作成日時：2017年4月9日 15時
