タケノコぐらいの成長速度 ページ7
「Aちゃん...？」
いやいや、おかしいだろ。
昨日はまだはいはいと掴まり立ちしか出来なかったよね？
この子、立ってヨタヨタしながらも歩いてるんだけど...。
寝ぼけた頭を叩く。
夢かな？
昨日寝る時に着ていた服と、今きているのも違う。
伸びた前髪を細いゴムで括ってちょんまげにしてもらってるし、根本的に体の大きさも違う。
「まさかの急成長！？
ちょっ、待って。僕一年寝てたってわけじゃないよね？」
携帯で日付を見る。
うん、僕の認識は間違っていない。
Aを抱き寄せて、あーんと口を大きく開かせる。
「増えてる...」
昨日は下の歯が二本だったのに、上下合わせて7本生えていた。
一日で5本も生えないよね？
信じられん...こんな事が二日連続で起こるなんて。
あっ、目眩が。
「昨日買ったオムツとか無駄になっちゃったじゃん...」
Aちゃんの時間だけもの凄い速さで進んでいるんですけど。
とりあえず顔を洗わなきゃ。
ベッドを降りると、よちよちとAが後をついてきた。
「歩けるようになったの〜。凄いねえ」
しゃがんでそう話しかけると、Aは満面の笑みでうん、と言った。
コミュニケーションも成立しちゃってる。
「あー、なんて言って仕事場に連れて行こう」
はとこはお父さんが迎えに来て帰った、ってことにして、この子は同じ名前のいとこにしようかな。
いとこなんていないけど。
テーブルについて、昨晩帰り際に買ったサンドウィッチを頬張る。トマトとチーズの組み合わせが最高に美味しい。
Aはといえば、僕の足元をちょこちょこ動き回って、ふくらはぎにしがみついたりしている。
「Aちゃん、机に頭ごっつんこしないでね」
っていうかまだ多分歩き始めて間もない年齢なのに、人を起こすのにキスするとか、小悪魔すぎるだろ。
さすが僕の子供。男の落とし方は幼いながら分かっているみたい。
急成長してるのは、時空を超えて僕の元に来ているからだろう。もう僕はこんな事じゃ驚かないぞ。
刹那、ゴンッという鈍い音がした。
うえーん
突如始まった泣き声リサイタルに、パパ2日目の僕は動揺を隠しきれない。
「気を付けてって言ったばかりなのにー。
パパが痛いの痛いの飛んでけーってやってあげるね」
昨日より格段に重くなったAを抱いて、窓の外を見せたり、出来ることは何でもした。
静かになったAを抱えて僕は家を出た。二日連続のタクシーはお財布に厳しいから、どうしようかな。
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かのか(プロフ) - おもしろい！スゴく良かった！２章読んできまーす！ (2015年7月6日 8時) (
レス) id: 171b30f749 (このIDを非表示/違反報告)
ようこ(プロフ) - べっちゃんさん» べっちゃんさん、コメントありがとうございます！短編の時から、とは彼に恋しても無駄時代からですね（；゜０゜）大変です！そんな前から読んでくださっていたなんて、感謝感激雨あられです（≧∇≦）ありがとうございます！！ (2014年7月18日 20時) (レス) id: 35ef913cfb (このIDを非表示/違反報告)
ようこ(プロフ) - ヒロンさん» こんばんは！お返事遅くなってしまってごめんなさい（；＿；）2章の方、ゆっくりですが更新しておりますので、よかったら訪れて下さいね( *｀ω´) (2014年7月18日 20時) (レス) id: 35ef913cfb (このIDを非表示/違反報告)
べっちゃん(プロフ) - 第一章 完結おめでとうございます！短編のときから読ませて貰ってました！これからもファイティン！ (2014年7月13日 12時) (レス) id: 1623f1ded7 (このIDを非表示/違反報告)
ヒロン(プロフ) - ありがとうございます☆すっごく楽しみにしていますp(^-^)q更新頑張って下さいね♪ (2014年7月13日 9時) (レス) id: 0719d3023f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ようこ
| 作成日時：2014年5月1日 17時
