扉の鍵は開いたまま ページ46
「セフナ、起きろー」
頬のにやけが収まったところで、ソファで寝るセフンを叩き起こす。
目を薄く開いたセフンは、二日酔いの浮腫んだひどい顔をしていた。
セフン「頭いた...体バキバキ...」
今の状況をじっくりと説明してくれたセフンが起き上がるのを手伝って、水を飲ませる。
「風呂入る？昨日ごめんな？むしゃくしゃして酒に付き合わせちゃって」
セフン「いえ、僕も楽しかったんで」
一度白目をむいて、首を左右に倒したりして、徐々にEXOのセフンが出来上がって行く。
セフン「ヒョンは二日酔いじゃないんですね」
「うん、理由はわかんないけど」
セフン「楽しそうですね」
無意識に笑みが漏れる。
傍からみたら相当変だよなあって思って、タオルを渡してセフンを風呂場へ連れて行った。
寝室に戻って、ベッドにダイブする。
両手で平泳ぎするみたいにシーツを撫でると、なんとも言えない幸福感に満たされた。
あー、さっき見送ったばっかりなのに、もうAの顔を見たくなっちゃった。
今日、出来るだけ早く帰って、夕飯一緒に食べよう。
へえ、7時すぎてもまだ明るいんだー、なんて思いながら愛用の自転車で帰宅。
食後のデザートにエクレアなんて買っちゃったりして。
今までとは随分違う自分に驚く。
「ただいまー」
ドアのノブを引っ張ると、
ガチャン
鍵が閉まっている音がした。
あれ、まだ帰って来てないんだ。
郵便受けのところに手を伸ばすと、あった。朝、入れて行った鍵が。
前に病院行くから遅くなるって言ってた時あったっけ。
今日もそれかな？
この前は前もって教えてくれてたんだけどな。
暗い部屋の電気のスイッチを、自分で押すのは久しぶりで、違和感さえも覚えた。
早くエクレア食べたいな。
まだ帰ってこないのかな。
たまには僕がお夕飯作ってあげよう、と台所に立つ。
冷蔵庫を見ると、何種類か野菜があったので、ウインナーと適当に合わせてスープを作った。
ちら、と時計を見ると、8時半。
まだ、帰ってこない。
暇だったからテレビをつける。夕刻からのドラマをあまり内容を理解することなくボーッと見る。
エンドロールが流れて、携帯をつける。
10時手前。
まだ。
一人でご飯を食べる。
お風呂から出る。
まだ、来ない。
1時を過ぎた。
耳を澄ましても、ドアの開く音は聞こえない。
外で車が通る。
一台、二台、三台。
その日、
どんなに待っていても、
玄関の扉が再び開くことはなかった。
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かのか(プロフ) - おもしろい！スゴく良かった！２章読んできまーす！ (2015年7月6日 8時) (
レス) id: 171b30f749 (このIDを非表示/違反報告)
ようこ(プロフ) - べっちゃんさん» べっちゃんさん、コメントありがとうございます！短編の時から、とは彼に恋しても無駄時代からですね（；゜０゜）大変です！そんな前から読んでくださっていたなんて、感謝感激雨あられです（≧∇≦）ありがとうございます！！ (2014年7月18日 20時) (レス) id: 35ef913cfb (このIDを非表示/違反報告)
ようこ(プロフ) - ヒロンさん» こんばんは！お返事遅くなってしまってごめんなさい（；＿；）2章の方、ゆっくりですが更新しておりますので、よかったら訪れて下さいね( *｀ω´) (2014年7月18日 20時) (レス) id: 35ef913cfb (このIDを非表示/違反報告)
べっちゃん(プロフ) - 第一章 完結おめでとうございます！短編のときから読ませて貰ってました！これからもファイティン！ (2014年7月13日 12時) (レス) id: 1623f1ded7 (このIDを非表示/違反報告)
ヒロン(プロフ) - ありがとうございます☆すっごく楽しみにしていますp(^-^)q更新頑張って下さいね♪ (2014年7月13日 9時) (レス) id: 0719d3023f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ようこ
| 作成日時：2014年5月1日 17時
