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慌ただしい朝 ページ45

啄ばむようなキスを繰り返して、もう一度ぎゅーっと抱きしめると、この世で一番幸せな気分になった。

「もう、迷惑って言わない?」

A「うん、」

「僕が...Aの笑顔を生み出せる限り、そばに居て欲しいんだ」

A「ん....」


きゅ、と小さくなって僕の胸に頭を預けるAが愛しくて、心臓が嬉しい悲鳴を上げた。


手を繋いで、布団に潜り込む。

お互いのほっぺに、涙の跡があるのに気付いて、笑った。


よかったね、僕の心の怪物。

どんなに醜い感情でも、彼女が応えてくれるなら、いいよね。

でも、大人しくしておいてね。



Aの温かい手の温度に安心して、目を閉じていると、僕は幸せな眠りにつくことができた。



夢を見た。

夢の中で、Aはさっきよりも大粒の涙を流しながら、虚ろで悲しそうな目で、小さく呟いた。

『オッパ、ごめんね』

消え入りそうな声は、震えていた。


せっかく想いが通じたのに、なんで謝るの?

何か、悪いことでも、したの?


問いかけようにも、夢の中の僕は動けなかった。あまりにも、重たい身体で。



夢から醒めると、目の前にはAの黒目がちな瞳があった。

「...はよ、」

A「おはよ」

柔らかく微笑むA。

起きた瞬間にAの顔が見れるのって、やっぱり幸せ。


寝てる間に解けてしまった手。

ずりずりと近付いて、腰を引き寄せる。

遠慮、しないから。


「僕の寝顔見てたんだ?」

A「えっ...違うよ!今起きたばっかりだよ!」

わー、可愛い。耳まで赤い。

足で身体を挟んで固定し、髪を掻きあげて耳にキスを落とす。

近い近い、と文句を言うAを、布団ごと抱き締める。

「あー、起き上がりたくないー」

A「私も...でも学校行かなきゃ」

棚の上に置いてある携帯のホームボタンを押す。


「今7:50だよ」

A「っぎゃー!!遅刻!!」

ガバッと布団を蹴散らしてリビングに消えて行った。

「いってぇ」

ついでにエルボーを顎に食らった僕。


A「昨日お皿洗いしてないの!」

「ああ、僕やっとくよ」

嵐のように廊下を走るA。焦りすぎてソファで寝るセフンには気付いていない。


「あ!待って!」

寝室の棚の上に外しておいたネックレス。

「忘れ物」

キョトンとするAの手に握らせる。

あれ?
冷たい....

A「危ない...置いてくとこだった!」


「じゃ、いってらっしゃい」


A「いってきます、」



Aの手が離れて、扉が閉まった。

扉の鍵は開いたまま→←謝らなくていいから



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作品ジャンル:恋愛
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かのか(プロフ) - おもしろい!スゴく良かった!2章読んできまーす! (2015年7月6日 8時) (レス) id: 171b30f749 (このIDを非表示/違反報告)
ようこ(プロフ) - べっちゃんさん» べっちゃんさん、コメントありがとうございます!短編の時から、とは彼に恋しても無駄時代からですね(;゜0゜)大変です!そんな前から読んでくださっていたなんて、感謝感激雨あられです(≧∇≦)ありがとうございます!! (2014年7月18日 20時) (レス) id: 35ef913cfb (このIDを非表示/違反報告)
ようこ(プロフ) - ヒロンさん» こんばんは!お返事遅くなってしまってごめんなさい(;_;)2章の方、ゆっくりですが更新しておりますので、よかったら訪れて下さいね( *`ω´) (2014年7月18日 20時) (レス) id: 35ef913cfb (このIDを非表示/違反報告)
べっちゃん(プロフ) - 第一章 完結おめでとうございます!短編のときから読ませて貰ってました!これからもファイティン! (2014年7月13日 12時) (レス) id: 1623f1ded7 (このIDを非表示/違反報告)
ヒロン(プロフ) - ありがとうございます☆すっごく楽しみにしていますp(^-^)q更新頑張って下さいね♪ (2014年7月13日 9時) (レス) id: 0719d3023f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ようこ | 作成日時:2014年5月1日 17時

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