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紅葉の手 ページ1

「っんんー...」

何か小さくて温かいものが、僕の顔の上を動きまくっている感じがする。

せっかく夢も見ずによく寝てたのに。

あ、これ自体夢なのか。唇をむにゅむにゅ触られてる感じがするけど、無視して眠り続けよう。



「だあ」


嘘だろ。

僕はかっと目を見開いた。


「赤ちゃん!?」


柔らかい、紅葉のように小さな手が、僕の鼻、口、頬を縦横無尽に触りまくっていた。

...よだれのついた手で。


「待て待て待てーい!!」


僕はさっと手を振り払って、赤ん坊を抱えて僕の上から降ろした。
ベタベタになった顔が、これが現実であることを示している。


赤ちゃんはピンクの自然素材の洋服を着て、白地に水玉柄のよだれかけをして、僕をクリクリの目で見上げた。

癖毛なのか、茶色い髪の毛が緩くカーブしている。


男ルハン、子供がいた記憶がございません...。


「君、僕の子?」


「だあ」


「僕、しばらく彼女いないんだけど」

彼女じゃない人とそういうことをした記憶は、うん、数回あるけど。

「あー」

「どこから来たの?」

「だあ」

「...」
こんな小さい子に聞いても無駄か。

僕は赤ちゃんをベッドにおいて、玄関を確認しに行った。
昨日寝る前と同じように鍵とチェーンが二つ、掛かっている。

じゃあ、あの赤ちゃんはどこから来たんだ?

なんかの番組?それだったらマネージャーから話を聞いているはずだ。

リビングを見る。

誰もいない。

トイレ。

誰もいない。


「誰かいるんなら出てこいよ!!」

そう叫んだ時、耳をつんざくような泣き声が部屋に響き渡った。


やば、赤ちゃん!

寝室に行くと、赤ちゃんがベッドの下で、顔を赤くして泣いていた。

ベッドの上に置いといたのに!

「あー、ごめん、ごめんね。落ちちゃったの?痛かったねえ」

さっと抱きかかえて、背中をぽんぽんする。

「あーん!えーん!」

「ああ、僕が泣きたい!ほら、泣き止んで〜、ね!ね!」

部屋の中をゆらゆらしながら歩き回る。こういう時ってどうしたらいいの?
僕、兄弟も従兄弟もいないからわかんないよ。


「わーん!」

「まじで、頼むから!朝8時のマンションには響くんだって!」

やっとの思いで認めてもらった一人暮らしなのに、これでご近所トラブルとか起こしたらひとたまりもないよ。

「ぽっぽしてあげようか?ほら、ちゅっ、ちゅっ」

両のほっぺに吸い付くようにキスをすると、驚いたらしく泣き声が止んだ。


「...あう」



僕、どうしたらいいの。

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設定タグ:EXO , ルハン , アイドル   
作品ジャンル:恋愛
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かのか(プロフ) - おもしろい!スゴく良かった!2章読んできまーす! (2015年7月6日 8時) (レス) id: 171b30f749 (このIDを非表示/違反報告)
ようこ(プロフ) - べっちゃんさん» べっちゃんさん、コメントありがとうございます!短編の時から、とは彼に恋しても無駄時代からですね(;゜0゜)大変です!そんな前から読んでくださっていたなんて、感謝感激雨あられです(≧∇≦)ありがとうございます!! (2014年7月18日 20時) (レス) id: 35ef913cfb (このIDを非表示/違反報告)
ようこ(プロフ) - ヒロンさん» こんばんは!お返事遅くなってしまってごめんなさい(;_;)2章の方、ゆっくりですが更新しておりますので、よかったら訪れて下さいね( *`ω´) (2014年7月18日 20時) (レス) id: 35ef913cfb (このIDを非表示/違反報告)
べっちゃん(プロフ) - 第一章 完結おめでとうございます!短編のときから読ませて貰ってました!これからもファイティン! (2014年7月13日 12時) (レス) id: 1623f1ded7 (このIDを非表示/違反報告)
ヒロン(プロフ) - ありがとうございます☆すっごく楽しみにしていますp(^-^)q更新頑張って下さいね♪ (2014年7月13日 9時) (レス) id: 0719d3023f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ようこ | 作成日時:2014年5月1日 17時

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