こんなやつとは知らなんだ 7 ページ30
「あ、先生！」
その声が聞こえた時、しまったと思った。
今の私の格好は、2年前に買った980円のTシャツ(毛玉浮き気味)に、適当に手に取ったホットパンツ。
...にビーチサンダル。
家の近所だから、絶対生徒に会わないと思って、気を抜いてひどい格好で出てきてしまった。
向こうの方で誰かが手を降っているのが見える。
うげ！
目を細めると、あろうことかカイくんだったのだ。
私すっぴんだし！アイドルに会うにはあまりにお粗末な格好！！
咄嗟に顔を隠して逃げる。
「先生、待ってよー！」
5秒後には捕まった私でした。
伊達に学生時代茶道部やってませんから。体力ゼロだから！
「もー、なんで逃げるの？」
そう言うカイくんは私と違って息を切らしていない。
こんな生活感丸出しの格好で会いたくなかったからに決まってるじゃん！なんて言えるわけもなく、曖昧に笑って誤魔化しておいた。
「はは、カイくん、ワンちゃん飼ってるんだー」
「そうだよ。チャングっていうんだ。ほら、チャング、先生に挨拶して〜『コンニチハ！』」
茶色いプードルの前の足を掴んで、ふりふりしながら言う彼は無邪気に楽しそうだ。
しゃがんでチャングの頭を撫でると、ガルルと唸られた。
あ、嫌われてるのね、私。
「チャングやー、先生はいい人だよー」
カイくんが撫でると、目を細めて幸せそうな顔のチャング。
「先生、いつものヒールは履いてないんだね」
いつもヒールのすごい高い靴履いてるじゃん？と言う彼。さすが脚フェチだけあって、靴の観察は欠かさないらしい。
「あ、うん。まあね。サンダルの方が楽だしね」
「そうなの？じゃあなんでヒールの履くの？」
二人でチャングを挟んでしゃがみこみ、彼がゆったり撫でながら話す。
そうそう、私、大きなこの手に足を撫で回されたんだった。
太腿に触れた唇の感触を思い出すと、頬が熱くなる感じがした。
「気分をあげるためのおまじない、かな。お仕事に対するやる気が出るんだよね。
靴に足を入れた途端に、違う自分になれるの。カイくんだって、曲がかかった瞬間、違う自分になれるでしょ？」
「あー、なるほど。僕、先生がヒール履いて、歩いてる音、好きだよ。コツコツっていう音。
あと、ヒールを履いた足が好き」
「こら」
ぺしっと頭をはたくと、あは、と笑った。
チャングがワンワン鳴いてカイくんに飛びついた。なんだよー、なんて言いながら、幼い笑顔で笑う彼。
子供みたいで可愛いなあ、って思った。
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ようこ(プロフ) - タキさん» ぎゃああタキさんだ！！いつもお話読ませて頂いております( *｀ω´)感激！すほちゃんとににちゃんは自分の中で問題作なので(笑)、褒められると書いてよかったなーと思えて嬉しいです（≧∇≦）コメントありがとうございました！また短編が浮かんだ時に更新いたします！ (2014年8月4日 13時) (
レス) id: 35ef913cfb (このIDを非表示/違反報告)
ようこ(プロフ) - ちゃんさん» せふんちゃん、年下のくせに生意気ですよね(笑サイン会の後の話も考えていたのですが、短編のままの方がよりリアルなのかなーと思って、未だに後回し中(;^_^A今更新中のものが落ち着いたら、またじっくり構成を練り直します！！ (2014年8月4日 13時) (レス) id: 35ef913cfb (このIDを非表示/違反報告)
タキ(プロフ) - 初めまして！短編三つ、いっきに読んでしまいました！もう、せふんちゃんリアルにありえてそうで。思わせぶりぃ泣。すほさんは心にうっとくる感じがたまらなく。にに！足フェチ！で殺されました←。こんなに素敵なフェチ話があるなんて！と感動です！有難うございます！ (2014年7月30日 21時) (レス) id: 4c29e81185 (このIDを非表示/違反報告)
ちゃん - せふんちゃんとってもキュンとくるお話でした…！思わせぶりすぎ…！ぜひぜひ、サイン会後のお話も読みたいです(^^) (2014年7月15日 1時) (レス) id: e24e9a995d (このIDを非表示/違反報告)
ようこ(プロフ) - あーのさん» はじめまして！セフンちゃんは年下男子にひたすら振り回されるお話です！笑いつか続編を書こうと思って居るのですが、今更新中のものが2つあって、後回しにし続けて今になってしまいました...(￣O￣;)コメント、ありがとうございましたヾ(＠⌒ー⌒＠)ノ (2014年7月13日 23時) (レス) id: 35ef913cfb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ようこ
| 作成日時：2014年4月12日 21時
