白雪より美しい 7 ページ20
火曜日になるといつも、ジュンミョンさんは私に助けを求めた。
彼の部屋からにゅっと出た手が、帰ろうとする私の腕を掴んで、引きずり寄せるのだ。
泣くことはあまりなかったが、何かに怯えたように、必死で私に縋り付いた。
私は子供のような、頼りないその身体を、毎回ぎゅーっと抱き締めて、ゆっくりと撫ぜる。
あの日以来、ジュンミョンさんはジミンさんの賛美をあまりしなくなった。
なのに毎週火曜日の逢瀬は止められなくて、自分の心と頭が一緒に働いてくれないことに、彼は酷く疲れていた。
火曜日が来ると、彼の心がズタズタになる。
私はその理由を知りながら、他の方法もわからず、ひたすら馬鹿の一つ覚えみたいに彼を抱き締める。
ジュンミョンさんに頼られ、求められているという感覚がして、幸せだった。
これ以上傷つけないで。
いつだってそう願ってた。
ジミンさんは、ジュンミョンさんを悲しませて、悩ませて、それでも手離してくれない。
敵だ。
ジュンミョンさんを苦しめる人は皆、敵なんだ。
私は、彼の美しいその恋心を、薄汚いものの中に埋めようとするジミンさんが嫌いだ。
洗濯物の山に突っ伏していると、扉が開き、ジュンミョンさんが入ってきた。
「A...気にしないで。ジミンは悪気があったわけじゃないんだ。
3年前にお母さんを亡くして、お母さんが恋しいっていつも言うんだよ。家事をよくするAの手を見て、思い出して嬉しくなったんだよ。きっと」
「...」
そんなの、知らない。
私だって、お母さんの手なんか、覚えてない。思い出せないもの...
慰めてよ
Aを傷つけるなんて悪い女だと言って、早く、あの人なんて嫌いだと言ってよ
どうしてジミンさんばかり庇うの
ジュンミョンさんの、ばか
じわ、と涙が視界を歪めたのが分かった。
なんで私じゃないの
なんであんな酷い女を選ぶの...
「私、イヤ。
あの人のせいで、ジュンミョンさん、ボロボロじゃない...なのに平気な顔でベッキョンさんの隣に座って...
あの人に恋するの、やめてよ！ねえ、どうしてそんなになってまで」
「A」
「...っ」
「それは、僕が愛しているからだよ」
初めて、抱き締められた。
いつもと立場が逆。
「そんな、の、おかしい」
「うん、
うん...」
彼の腕が私から離れなければいいのに。
私だけを、大事に抱いてくれれば...
自分の中で激しく動く感情は、酷く邪で汚い。
彼は、いつだって純粋な白雪のように美しかったのに。
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ようこ(プロフ) - タキさん» ぎゃああタキさんだ！！いつもお話読ませて頂いております( *｀ω´)感激！すほちゃんとににちゃんは自分の中で問題作なので(笑)、褒められると書いてよかったなーと思えて嬉しいです（≧∇≦）コメントありがとうございました！また短編が浮かんだ時に更新いたします！ (2014年8月4日 13時) (
レス) id: 35ef913cfb (このIDを非表示/違反報告)
ようこ(プロフ) - ちゃんさん» せふんちゃん、年下のくせに生意気ですよね(笑サイン会の後の話も考えていたのですが、短編のままの方がよりリアルなのかなーと思って、未だに後回し中(;^_^A今更新中のものが落ち着いたら、またじっくり構成を練り直します！！ (2014年8月4日 13時) (レス) id: 35ef913cfb (このIDを非表示/違反報告)
タキ(プロフ) - 初めまして！短編三つ、いっきに読んでしまいました！もう、せふんちゃんリアルにありえてそうで。思わせぶりぃ泣。すほさんは心にうっとくる感じがたまらなく。にに！足フェチ！で殺されました←。こんなに素敵なフェチ話があるなんて！と感動です！有難うございます！ (2014年7月30日 21時) (レス) id: 4c29e81185 (このIDを非表示/違反報告)
ちゃん - せふんちゃんとってもキュンとくるお話でした…！思わせぶりすぎ…！ぜひぜひ、サイン会後のお話も読みたいです(^^) (2014年7月15日 1時) (レス) id: e24e9a995d (このIDを非表示/違反報告)
ようこ(プロフ) - あーのさん» はじめまして！セフンちゃんは年下男子にひたすら振り回されるお話です！笑いつか続編を書こうと思って居るのですが、今更新中のものが2つあって、後回しにし続けて今になってしまいました...(￣O￣;)コメント、ありがとうございましたヾ(＠⌒ー⌒＠)ノ (2014年7月13日 23時) (レス) id: 35ef913cfb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ようこ
| 作成日時：2014年4月12日 21時
