白雪より美しい 5 ページ18
ジュンミョンさんが、同じEXOのメンバーであるベクヒョンさんの恋人の事を好きだと聞いたのは、韓国に来て間もない頃だった。
慣れない大人数分の料理と洗濯に明け暮れて、深夜になっても仕事が終えられず、これで最後だ、とテーブルを拭いていた私。
明日早いからといって皆さんが床に就く中、彼だけが私のそばに居て、静かに物思いに耽っていた。
ふいに、ジュンミョンさんが何かを喋り始めた。当時あまり韓国語の分からなかった私は、何も言うことが出来なかった。
作業をする手を止めて、注意深く聞いてみると、どうも彼はメンバーの彼女が好きらしい、ということだった。
一方的に話し終わると、彼はつう、と涙を流して、「秘密だよ」と言った。
今思えば、彼は私を想いの捌け口にして、日本人だから言っている事の意味も分からないだろう、と本心を打ち明けていたのだ。
誰よりも仲間を大切にする彼にとって、止められない程の禁忌の恋心は、どれだけの重たい足枷だったのだろう。
私の韓国語が上達すると、殆どの意味がわかるようになり、彼と会話できるようになった。会話と言っても、相槌を打つくらいだが。
ある日は手に触れられた、と嬉しそうに。
ある日は弟の恋人を好きになるなんて僕は馬鹿だ、と辛そうに。
彼は私に、愛する彼女への想いを語った。
家事ついでにその話を聞いていると、恋ってなんて素晴らしいだろう、と素直に思えた。
ジュンミョンさんが、こんなに愛するなんて、どんな人だろう。私はとても気になっていた。
美しくて優しくて、素敵な人格の持ち主なんだろうな。
そう思っていた。
でも、その想像はいとも容易く打ち砕かれることとなる。
あれはいつのことだったかな。
ううん、本当はしっかり覚えている。
3ヶ月前の火曜日。
その日はジュンミョンさんだけが早く帰ってきた。
他の方は、と聞くと、飲み会に行っていると言われた。
その時私はもう帰る準備を終えて、鞄を手にしていた。
ふらふらと玄関を歩いてきた彼の足取りは頼りなく、今にも崩れてしまいそうだった。
パチ、と廊下の電気をつけると、思いの外近くに居て、驚いて一歩下がる。
「おかえり、なさい...？」
15cm上から、私を見つめる目がゆらりと揺れた。
突如彼が私の肩に頭を乗せて、背中にぎゅうっとしがみついた。
その重みにバランスを崩し、床に倒れこむ
「ジュンミョンさ、」
「う、う...あああ！」
冬のしんとした寒々しい部屋に、慟哭が響き渡った。
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ようこ(プロフ) - タキさん» ぎゃああタキさんだ！！いつもお話読ませて頂いております( *｀ω´)感激！すほちゃんとににちゃんは自分の中で問題作なので(笑)、褒められると書いてよかったなーと思えて嬉しいです（≧∇≦）コメントありがとうございました！また短編が浮かんだ時に更新いたします！ (2014年8月4日 13時) (
レス) id: 35ef913cfb (このIDを非表示/違反報告)
ようこ(プロフ) - ちゃんさん» せふんちゃん、年下のくせに生意気ですよね(笑サイン会の後の話も考えていたのですが、短編のままの方がよりリアルなのかなーと思って、未だに後回し中(;^_^A今更新中のものが落ち着いたら、またじっくり構成を練り直します！！ (2014年8月4日 13時) (レス) id: 35ef913cfb (このIDを非表示/違反報告)
タキ(プロフ) - 初めまして！短編三つ、いっきに読んでしまいました！もう、せふんちゃんリアルにありえてそうで。思わせぶりぃ泣。すほさんは心にうっとくる感じがたまらなく。にに！足フェチ！で殺されました←。こんなに素敵なフェチ話があるなんて！と感動です！有難うございます！ (2014年7月30日 21時) (レス) id: 4c29e81185 (このIDを非表示/違反報告)
ちゃん - せふんちゃんとってもキュンとくるお話でした…！思わせぶりすぎ…！ぜひぜひ、サイン会後のお話も読みたいです(^^) (2014年7月15日 1時) (レス) id: e24e9a995d (このIDを非表示/違反報告)
ようこ(プロフ) - あーのさん» はじめまして！セフンちゃんは年下男子にひたすら振り回されるお話です！笑いつか続編を書こうと思って居るのですが、今更新中のものが2つあって、後回しにし続けて今になってしまいました...(￣O￣;)コメント、ありがとうございましたヾ(＠⌒ー⌒＠)ノ (2014年7月13日 23時) (レス) id: 35ef913cfb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ようこ
| 作成日時：2014年4月12日 21時
