空白の時間8 チェンside ページ37
出番です、と声がかかり、マイクの調子を確認して3人で楽屋を出る。
今、僕達は3人だけの冬のスペシャルステージに立とうとしている。
楽屋前の廊下で、ミヨンマネと女の子が話していた。なんか、見たことあるような顔だけど、名前が分からない。
ミヨン「いや、レンの友達って言われても...個人情報なんだから、教えられないわよ。第一、私だってレンの居場所分からないのよ？」
『じゃあ、あの子のお祖母さんの家の住所でも教えてください！』
あー、なんだっけ、名前。JYPの新人グループの。今日は代打でMCやってたよね？
それにしてもすごい剣幕で喋っている。「レン」と聞いたベクとギョンスの顔がピク、と動いた。
一時期EXO不仲説が出てから、僕達の間で、「レン」という言葉は禁止ワードになってしまった。今では「レンジでチンして」に過剰反応するメンバーも居るくらい。
レンの話をすれば、すぐに嫌な顔をされるだろう。
不仲説は細々と消えて行ったけれど、僕達の心に禍根を残したのは明確だった。
ベク「なに、あの人....追っかけ？」
ベクの低くて冷たい声は、僕の頭に静かに、だけど重たく響いた。
知らなかったよ。お前がそんなに恐ろしい声を出せるなんて。
「さあ...」
レンとどんな関係だったんだろう。
体を90度に折り曲げて、ミヨンヌナに懇願する彼女には、ただの追っかけとは違う何かがあるように思えた。
『マネージャーさん！お願いします！Aが今何をしているかだけでも...』
え、今。
Aって...
ミヨン「あなた！...自分が何を言ってるのか分かってるの？早く自分の仕事に戻りなさいよ！！」
『...』
ミヨンマネが一喝して、その場を去った。
女の子は一度天を仰いで、『やっちゃった、』と呟いた。
ディオ「行こう」
「う、うん」
この子は、きっとまだレンがレンになる前からの友達なんだ。だからレンの本名も知っている。
こちらを見上げた彼女の顔が見えた。
思い出したよ。
この前果物をくれた時、僕達を通して誰かを見ていた、君だ。
虚ろな目で、レンのこと探してたんだ。
彼女の横を通った時、ベクがさっきよりも低い声を発したのが聞こえた。
ベク「そんな人間、存在しないのに」
ベクヒョン
僕はお前が怖い。
彼女がレンの本名を知っていると知って、レンを見つける手掛かりになる、って嬉しくなったなんて、口が裂けても言えない。
言えないよ
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かのか(プロフ) - んー。面白かった！学生さんなのに、凄いしっかり書けてますねぇ。私は作文さえも三行書いて、詰まっちゃうので、感心。又他の作品も読んでみますね〜！ (2015年7月7日 14時) (
レス) id: 171b30f749 (このIDを非表示/違反報告)
いーさ。(プロフ) - はじめまして! 女だとばれて脱退という流れは男装してEXOに加入スタイルのお話で初めて出会いました。特に空白の時間は泣きましたー(笑) 素敵な作品に出会えて幸せです! これからも頑張ってください!! (2015年6月21日 21時) (レス) id: f44b8bb220 (このIDを非表示/違反報告)
ユネ(プロフ) - この作品に出会えてよかったです！本当に感動しました！ジョンデに女の子？って聞かれてレンとジョンデの隠れた恋愛みたいなの起こればいいな〜なんて思ってます（笑）これからも応援しています！ (2015年3月27日 14時) (レス) id: 450bd2b6d7 (このIDを非表示/違反報告)
HanAe - とても素晴らしい作品でした！あぁ、ジョンデさんすごく良い役割でした！(ただのジョンデペン)それと主人公ちゃんの本当の誕生日が私と同じだったので、オォ！ってなりました！笑 (2015年2月1日 3時) (レス) id: aed70721da (このIDを非表示/違反報告)
海老(プロフ) - ほんとにようこさんの作品全部大好きです。涙が止まらなくて胸がギューってします。笑 できればこれからも小説を書きつづけて欲しいです… (2015年1月10日 0時) (レス) id: ca5beaaf03 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ようこ
| 作成日時：2014年3月28日 19時
