空白の時間5 チェンside ページ34
僕はなんて馬鹿な事をしたんだろう。
取り返しのつかないこと。
レン。
謝っても謝りきれない。
君の力になりたかった。身を切るような苦しみを分かち、君の支えになりたかった。
自らを押し潰す程重たい秘密ならば、2人で助け合って胸に秘めていこうと思ったのだ。
あまりにも、愚かしい自分...。
「楽しんでるー！？」
マイクを客席に向ける。
あの日以来、僕達は家族会議を毎日行い、互いを責め合うことをやめ、お客様を悲しませないように、レンがいないステージでも、プロとして笑顔でパフォーマンスをしようと決めた。
だけど、たまに笑顔がひきつって、頬が痙攣したようになる時がある。
歌っている時だけは、悲しみを薄れさせることが出来る。
でも、歌い終わり、唇を閉じると、思い出すのだ。
レンが、楽しそうに踊る姿を。
『僕には踊りしかないんだ』
そう言って、鏡の中の自分と睨めっこをして、額から汗をたらしながら、人を超越した存在のように舞ったレン。
僕のせいだ。
僕が、あの子の才能が花開き続ける機会を潰したんだ。
レンはここ何日かステージに上がっていない。それどころか、宿舎にも事務所にも姿を現さず、僕等は一切会っていない。
スタッフに居場所を聞いても、知らないの一点張り。
もう、僕達に会いたくないのかな。
そうだとしても、全く不思議は無かった。僕達がレンにしてしまった仕打ちは、この上なく酷かったのだから。
今日の出番が終わり、僕達が楽屋で帰る支度をしていると、コンコン、と扉を叩く音がした。
「ラストプリンセスです。挨拶をしにお伺いいたしました。お時間宜しいでしょうか？」
はい、と言って開けると、JYPの新人ガールズグループが、緊張した面持ちで、一列に並んでいた。
「今日はありがとうございました！これ、ささやかですが、どうぞ。私達が作った果物です」
リーダーらしき人が、箱に整列した美味しそうに熟れた蜜柑を差し出してきた。
スホ「みなさんが自力で作ったんですか？」
「はい！番組の企画で果実園のお手伝いをしてまして、今日は収穫が出来たので、皆さんに配っているんです」
ニコ、と笑う。
わざわざありがとうございます、とヒョンが応対してくれる。
挨拶を返して、僕はラストプリンセスさんの顔をじっと一人一人見つめた。
一人、違和感を感じた人がいた。綺麗な金に染められた髪の人。
彼女は、ここにいる人を見ていなかった。
僕等を通して他の誰かを見ているようだった。
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かのか(プロフ) - んー。面白かった！学生さんなのに、凄いしっかり書けてますねぇ。私は作文さえも三行書いて、詰まっちゃうので、感心。又他の作品も読んでみますね〜！ (2015年7月7日 14時) (
レス) id: 171b30f749 (このIDを非表示/違反報告)
いーさ。(プロフ) - はじめまして! 女だとばれて脱退という流れは男装してEXOに加入スタイルのお話で初めて出会いました。特に空白の時間は泣きましたー(笑) 素敵な作品に出会えて幸せです! これからも頑張ってください!! (2015年6月21日 21時) (レス) id: f44b8bb220 (このIDを非表示/違反報告)
ユネ(プロフ) - この作品に出会えてよかったです！本当に感動しました！ジョンデに女の子？って聞かれてレンとジョンデの隠れた恋愛みたいなの起こればいいな〜なんて思ってます（笑）これからも応援しています！ (2015年3月27日 14時) (レス) id: 450bd2b6d7 (このIDを非表示/違反報告)
HanAe - とても素晴らしい作品でした！あぁ、ジョンデさんすごく良い役割でした！(ただのジョンデペン)それと主人公ちゃんの本当の誕生日が私と同じだったので、オォ！ってなりました！笑 (2015年2月1日 3時) (レス) id: aed70721da (このIDを非表示/違反報告)
海老(プロフ) - ほんとにようこさんの作品全部大好きです。涙が止まらなくて胸がギューってします。笑 できればこれからも小説を書きつづけて欲しいです… (2015年1月10日 0時) (レス) id: ca5beaaf03 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ようこ
| 作成日時：2014年3月28日 19時
