空白の時間3 タオside ページ32
チェン「何てこと、してくれんだよっ！！」
項垂れるベッキョンヒョンの胸倉を掴んで、揺さぶるチェンヒョン。
チェン「返せっ！レンを返せ！！」
げほっ、ごほっ、とチェンヒョンがむせ、喉を掻いて苦しそうにする。
スホヒョンが駆け寄ってチェンヒョンを支えた。
ベク「お前...いつから知ってたんだよ。二人で僕達のことを騙してたのかよ！」
チェン「何ヶ月か前だよ。夏が終わった頃。
レンをどこにやった。追い出したって、あの子はどこか行くべき場所はあるのか？
実家は無いんだぞ？ご両親は外国にいる。お婆ちゃんは遠くの田舎に住んでるって言うじゃないか。
外はこんなに寒いのに、上着は着せたのか？靴は履かせたのか？
...返せよ。
返してくれよ！！」
うわあーっ、と慟哭が響き渡って、チェンヒョンがベッキョンヒョンの足元に崩れ落ちた。
「チェンヒョンは...悲しくなかったの？レンは僕達にずっと嘘をついてたんだよ？」
チェン「タオ、一番レンが拠り所にしてたのはお前なんだよ。なんで分かってあげられないんだよ！？」
そんなこと、言われても。
わかんないよ。
本当のレンが何者か、これまで信じてきたものが、全部覆されたのだから。
ヒョンが数ヶ月かけて辿り着いた結論を、たった今衝撃に晒されたばかりの僕が理解できるはずはなかった。
チェン「レンが女だって世間に知れたらどうなる？EXOとして活動するどころか、普通の人として生きるのも辛くなるだろう。全国から犯罪者扱いを受けるだろう。
みんなは...レンが、自分から好き好んで嘘をついてると思ってるのか？
じゃあ、なんでレンが睡眠薬を飲まなきゃ寝れない体になったのか分かるか？...泣いてるんだよ、夜中に起きては。薬がないと十分に寝ることさえままならないんだよ」
知らなかった。
僕は。
僕は、レンを一番近くで見ていると思っていた。
全部を知っていると思っていた。
薬に頼らなくちゃ自分を保てなくなっているなんて、どうして、気付いてやれなかったんだ。
チェン「こうやって、自分を隠し続けることで、体も精神も擦り切らせてるんだよ！辛いんだよ！！
レンが踊る機会を失ったらどうなると思ってるんだ。
あの子が一生笑えなくなったらどうするんだ！
僕達が、守ってあげるはずの僕達が、あの子を傷つけてどうするんだよ！！」
胸の奥から、涙の素が溢れ出して、体中を満たしたから、僕は、堰を切ったように流れ出す涙を、どうすることも出来なかった。
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かのか(プロフ) - んー。面白かった！学生さんなのに、凄いしっかり書けてますねぇ。私は作文さえも三行書いて、詰まっちゃうので、感心。又他の作品も読んでみますね〜！ (2015年7月7日 14時) (
レス) id: 171b30f749 (このIDを非表示/違反報告)
いーさ。(プロフ) - はじめまして! 女だとばれて脱退という流れは男装してEXOに加入スタイルのお話で初めて出会いました。特に空白の時間は泣きましたー(笑) 素敵な作品に出会えて幸せです! これからも頑張ってください!! (2015年6月21日 21時) (レス) id: f44b8bb220 (このIDを非表示/違反報告)
ユネ(プロフ) - この作品に出会えてよかったです！本当に感動しました！ジョンデに女の子？って聞かれてレンとジョンデの隠れた恋愛みたいなの起こればいいな〜なんて思ってます（笑）これからも応援しています！ (2015年3月27日 14時) (レス) id: 450bd2b6d7 (このIDを非表示/違反報告)
HanAe - とても素晴らしい作品でした！あぁ、ジョンデさんすごく良い役割でした！(ただのジョンデペン)それと主人公ちゃんの本当の誕生日が私と同じだったので、オォ！ってなりました！笑 (2015年2月1日 3時) (レス) id: aed70721da (このIDを非表示/違反報告)
海老(プロフ) - ほんとにようこさんの作品全部大好きです。涙が止まらなくて胸がギューってします。笑 できればこれからも小説を書きつづけて欲しいです… (2015年1月10日 0時) (レス) id: ca5beaaf03 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ようこ
| 作成日時：2014年3月28日 19時
