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EXOのレンじゃない！？
事務所までの道を歩いていると、そう声が上がり、瞬きをする間もなく周りを取り囲まれた。
スマホでの撮影会が始まる。私は気付かないフリをして足を止めない。
『オッパ、なんでパジャマなの？』
オッパ？
そう思って振り向くと、制服姿の少女がいた。そっか。まだ朝早いもんね。通学途中かな。
「早く学校行かないと遅刻して先生に怒られるよ」
私は顔を隠す帽子もマスクもせず、財布も携帯も持たずに、家を出された姿のまま歩いていた。パジャマに裸足って、明らかにおかしいよね。靴のない素足にアスファルトの破片が刺さって痛い。
頼れるのは誰もいないから。
自分で歩かなくちゃ何も始まらないから。
そうやって自分を奮い立たせて、私は事務所に向かっていた。事務所には着替えもあるし、今日の仕事の前には皆必ず寄るだろう。
しんとして空気の冷えた朝の静かな街に、少女達の騒ぐ声が響く。
『レン、靴忘れてきちゃったの？』
『他のメンバーは？』
何も聞かないで欲しい。
だけど、大切なファンを邪険に扱えないから、はぐらかすような事を言って早足で移動する。
事務所につき、私は急いでセキュリティロックに暗証番号を入力した。
「みなさん、お仕事頑張って」
私についてきたファンに一言残して中に入る。事務所内に電気は点いているものの誰も見当たらず、自動販売機が何知らぬ顔で音を立てているだけだった。
とりあえずEXOの練習室の扉を開けた。真っ暗闇のそこに明かりを灯す。空調もいれて、私はひんやりしている床に寝転がった。
ドアに挟まれた手を見ると、赤く腫れていた。痛むけれど動くから骨は折れてないみたい。
このまま仕事の時間まで寝転がっているわけにもいかないので、私は準備運動を始めた。
CDプレイヤーを借りて、知らない洋楽を流す。体が動くまま、好きなように踊り始める。
私は踊っていないと死んでしまうようだ。
初めて会った時、新メンバーに大反対だったヒョン達。
タオヒョンとクリスヒョンは何も言わずそばにいてくれた。
舞台袖から見たヒョン達は、どこの誰よりもかっこよかったよ。
離れる日はなかった。寝るのも起きるのも一緒。皆でご飯を食べる時は、賑やかで楽しかった。
ヒョン、ごめんなさい。
私はまだ、レンで居たいよ。
皆のそばで笑ってたい。
馬鹿だなあ。
自分本位な理由でついた嘘が、こんなにも自分を苦しめるなんて、思ってもみなかった。
乾いた笑いが零れ落ちた。
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かのか(プロフ) - んー。面白かった！学生さんなのに、凄いしっかり書けてますねぇ。私は作文さえも三行書いて、詰まっちゃうので、感心。又他の作品も読んでみますね〜！ (2015年7月7日 14時) (
レス) id: 171b30f749 (このIDを非表示/違反報告)
いーさ。(プロフ) - はじめまして! 女だとばれて脱退という流れは男装してEXOに加入スタイルのお話で初めて出会いました。特に空白の時間は泣きましたー(笑) 素敵な作品に出会えて幸せです! これからも頑張ってください!! (2015年6月21日 21時) (レス) id: f44b8bb220 (このIDを非表示/違反報告)
ユネ(プロフ) - この作品に出会えてよかったです！本当に感動しました！ジョンデに女の子？って聞かれてレンとジョンデの隠れた恋愛みたいなの起こればいいな〜なんて思ってます（笑）これからも応援しています！ (2015年3月27日 14時) (レス) id: 450bd2b6d7 (このIDを非表示/違反報告)
HanAe - とても素晴らしい作品でした！あぁ、ジョンデさんすごく良い役割でした！(ただのジョンデペン)それと主人公ちゃんの本当の誕生日が私と同じだったので、オォ！ってなりました！笑 (2015年2月1日 3時) (レス) id: aed70721da (このIDを非表示/違反報告)
海老(プロフ) - ほんとにようこさんの作品全部大好きです。涙が止まらなくて胸がギューってします。笑 できればこれからも小説を書きつづけて欲しいです… (2015年1月10日 0時) (レス) id: ca5beaaf03 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ようこ
| 作成日時：2014年3月28日 19時
