噂のあの子は能天気【ツイステ】

#チェック・グレイポーン ページ24

翌日。

キィィ………。

私は重い学園長室の扉を開ける。

部屋は黒、赤がベースの、チェスイメージ。

そこの真ん中にある、大きな机。

＿＿＿そこには、お母さんが座っていた。

チェック・グレイポーン……ここPPCの学園長。

何を隠そう、私の母親だ。

チェック「A、早かったわね……。

王手(チェック)を挑みに来たのかしら？」

な〜にカッコつけてんだか。

王手、だなんて。

『まぁ……ね。

ちょっとお願いをしに』

チェック「お願い？」

『うん。お母さんにしか出来ない、大事なお願い。

あのね………




私をNRCに戻して！！！！』





…。

…。

チェック「え、何で？」

ガクッ。

お母さんの間抜けな返事に、思わず腰が抜ける。

おいおいおい、仮にも学園長だろ。

もっとカッコいい返事してよww

『何でって……そりゃ帰りたいからに決まってるじゃん』

チェック「あら、PPCは気に入らなかったの？アミーカもいるし、今日と昨日だけで友達もたくさんできたじゃない。

私の大好きなリリナから、言われたわよ。Aと友達になったって。

…まぁ、Aの願いを叶えて欲しいとも言われたけど」

『……………。』

チェック「リリナだけじゃなく、アミーカ、エリス……エイルにロイシェ。

アイズ、カホ、キャロル、エマまで言ってきたんだからね。いい友達がいて羨ましいわ。

今日の私との面会だって、サポート係のアンジェリーナとクレメンタインが申し込んでくれたんだし。

アンタをNRCに帰すメリットがないから帰さないけど、それで充分じゃない」

『…………！』

確かに、私は高望みしすぎなのかもしれない。

今のままで充分。誰だってそう思うかもしれないけど。

私は…私は…。

＿＿＿＿楽しいって気持ちをぶつけちゃえばいいのよ！

＿＿＿＿楽しいことが好きな学園長なら、きっと伝わるわ！！

キャロルが言ってくれた言葉。

そうだよ。

私は…。





『私は、NRCにいると楽しいの！！！！』





私がありったけの声で言うと、お母さんは

チェック「ふぅん……」

と興味深そうに私を見つめてきた。

今ぶつけなきゃ帰れない。

ぶつけよう、

楽しい

を。

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