あの人 ページ8
Aside
薄暗くなった道路。
最寄り駅が違う夏恋とは一つ前の駅でわかれて
ひとり、その道を歩いて家に帰る。
駅から家までは徒歩15分。
まぁまぁあるけど、どうせ家に着いてもお母さん
まだ帰ってきてないだろうし。
今日はあの本屋に寄ってから帰ろうかな、
とか考えながら
いつもの道を、いつも通り
端によって歩く。
薄暗い道に眩しいくらいのそのお店。
暇な時によく来る本屋さん。
大きくないけど、好きな小説あるし
雑誌も置いてるし私には十分。
「いらっしゃいませー」
入り口の近くで本の整理をしてた
男の人がそう言って、軽くお辞儀をしてすれ違う。
あれ、初めて見る人。
店内を少し歩いて、向かうのはやっぱり
いつも私の好きな小説がある棚の前。
だけど、いつもあるはずの場所にそれはなくて
探してみると少し上の方にあるのを見つけた。
手を伸ばすけど、平均身長の私にはとても取れない高さで、、
あぁ、今日は諦めようかな。
そう思って、くるっと向きを変えた。
「あの、」
そう、後ろからかけられた声に振り向くと
さっきの初めて見る店員さん。
『はい、？』
きっとこの人、アルバイト。
「取ろうとしてたの、どれですか？俺取りますよ」
『え、、？』
「さっき、手伸ばしてましたよね？俺取れます、言ってください」
『あ、あの青の本です。』
「あぁ、、、これ？」
そう言って、本当に取ってくれたその人。
お礼を言おうと思って顔を見た。
あ、この人って、、
「あれ、この前の子やん笑」
『あ、ありがとうございます、、』
この前も、助けてくれた人。
「国語のノートの子やんな、？」
『はい、あの時もありがとうございました』
「もうええよ笑」
『あ、、じゃあこれで』
あんまり話してたら迷惑、
そう思ってまた向きを変えようとすると
また、引き止められる。
「名前なんやったか聞いてない、なぁ、、って、笑」
『あぁ、、植本Aです。』
「Aちゃん。俺は中務裕太な」
『中務、先輩。じゃあ、ありがとうございました』
それ以上話すのは
人見知りの私にはとてもじゃないけど無理で
レジのおじさんに本を渡して、
家までの道を急いだ。
・
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亜嵐LOVE - やっぱり面白すぎて何回も読みに来ちゃいますね、ゆっくりで良いので更新頑張って下さい！ (2020年6月7日 7時) (
レス) id: 1d6fa76e88 (このIDを非表示/違反報告)
亜嵐LOVE - 応援してます更新頑張って下さい (2020年3月13日 17時) (レス) id: 1d6fa76e88 (このIDを非表示/違反報告)
亜嵐LOVE - この物語めっちゃ好きです (2020年3月13日 17時) (レス) id: 1d6fa76e88 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：たらこ | 作成日時：2020年1月2日 9時
