サッカー馬鹿な少女はいつも明るく【円堂成り代わり】

21~影山の狙い②~ ページ30

少年を追いかけ連れ戻すために、息子は師と共に修行の旅に出た。
息子は二年半という間、里に姿を現さなかった。

あるとき、息子が帰ってきた。出ていった時よりも幾分精悍な顔つきになり、術の技術も格段にあがった。
少年と何度も打ち合った。その度に跳ね返された。幾度となく、少年を追いかけては刃を向けられた。

そして３年の月日が経った頃、大きな戦争が起こった。息子の妖狐を狙っての大規模なものだった。

五大国は結束して事態に取り組んだ。
息子が仲間を守り最前線に立って戦闘をし、仲間はその息子を護る。
その連携は凄まじいものだった。

そのとき、少年が姿を現した。
少年と久しぶりの共闘だった。


少年は兄の真意を知り、息子の前に現れた。

お互いに信頼しあい、敵を封印した。
それは二人の勝利であり、その戦いに『忍連合軍』として参加した忍全員の勝利であった。

しかし戦いに勝った後、少年はまた、息子と戦った。

一対一の勝負だった。
息子と少年を繋ぐ細い"繋がり"。
それを息子は必死に繋ぎ止め、少年は必死に断ち切ろうとした。

二人は死ぬ気で戦い、決着の末、利き腕を失った。

闘いの後、また少年は旅にでた。
今度は、兄を捜し、殺すためではない。
世界を変える為でもない。

己の罪を償う。そのための旅だった。


そして、息子と少年の子供たちが、今度は忍となった。

その子供らに子供が...つまり二人の孫が産まれた。

その孫にも子供が、そしてまた命は紡がれていった。



その息子の子孫...それが雷門にいる円堂A。

そして少年の子孫...誰だかわかるかね？
近いうちにわかるだろうから、まだ言わないでおく。


そして、円堂A。

アイツの両親は既になくなっている。アイツの産まれた日に。

私は、円堂Aの身体のなかに九尾の妖狐が封印されているのも知っている。

豪炎寺の身体のなかに一尾の化け狸が封印されているのも知っている。


人柱力を私の駒とすれば、最強のチームが出来上がる。

まずは一人、円堂か豪炎寺か...。

22~試合~※この話から主人公sideでいきます。→←20~影山の狙い~ 影山side

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