20~影山の狙い~ 影山side ページ29
お前たちは知らないだろう。
今から遠い昔。忍の国があった。その中で特に大きな国は5つ存在し、『五大国』と呼ばれた。
その五大国のひとつ、火の国に、木ノ葉隠れの里があった。
緑が溢れる、自然豊かな国だった。
その国で、ある大きな事件が起こった。ある女の身に宿された九尾の妖狐が、女の内から出てきて、暴れだしたのだ。
原因は『出産』だった。出産の痛みで緩んだ結界を破り、妖狐が出てきたのだ。そう云われていた。
その人柱力と男の間に生まれた赤子に、その妖狐は再び封印された。
苦渋の決断だった。
それでチャクラを使い果たした男と女は死に、赤子は天涯孤独となった。
その赤子...息子は自分に妖狐が宿っているとは知らないまま、12歳まで生きた。妖狐は知っての通り忌まれているため、息子はすべての里民から嫌われていた。
無視された。突き飛ばされた。殴られた。蹴られた。
息子の心の叫びは、里民達には届かなかった。どれだけ訴えても。
商店に行けば、「万引きをしようとした」、「お前が来れば売り上げが下がる」。そんな滅茶苦茶な事を言われ、追い返された。
息子は、忍者になる試験に三度落ちた。その三度目に、ある教師に唆されて禁書を盗み、それに記されていた禁術を体得した。
ボロボロになりながら、必死に。そして、ある一人の新米教師に認められた。
そして、息子は忍者になり、様々な任務を仲間と共に遂行していった。忍の掟など皆無だったが、立派な忍になったという。
そして13の頃、苦楽を共にし兄弟のようだと感じていた少年が里を抜けた。里抜け。それは里への敵対心を意味していた。
息子はその背を追い続けた。追って追って追い続けた。そしてやっと手が届いたと思えば、殺されかけた。何度も。
その少年の心は病みきっていた。
息子が何を言おうとも、師や仲間が戻ってこいと言っても、少年の耳には入らなかった。
その少年は忍の名家に生まれた。そして突然、『家族がいる』という日常は終わりを告げた。天才と呼ばれた、兄の手によって。
兄が一族を皆殺しにしたのだ。唯一、弟である少年を残して。
少年は兄が大好きだった。その兄が父を殺した。母を殺した。一族を殺した。
少年は兄を憎んだ。兄は己のために一族を皆殺しにし、弟を残し、己の糧にしようとした。
少年は兄への復讐を誓った。とても愛し尊敬していた兄を、殺すと決めた。それが兄の狙いであり、願いであり、里と弟を想っての事だと知らず。
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空中浮遊(プロフ) - トームさん» ありがとうございます!実は、千波さんは私に仲良くしてくれてるいっこ上の先輩(女)をモデルにしています! (2016年1月6日 22時) (レス) id: e8df5f8652 (このIDを非表示/違反報告)
トーム - 千波先輩、いい人ですね♪(´ε` ) (2015年12月14日 17時) (レス) id: 9b623c4ab2 (このIDを非表示/違反報告)
空中浮遊(プロフ) - トームさん» ありがとうございます!! (2015年12月10日 17時) (レス) id: e8df5f8652 (このIDを非表示/違反報告)
トーム - 面白い(≧∇≦)bこれからもがんばってください! (2015年12月9日 21時) (レス) id: 9b623c4ab2 (このIDを非表示/違反報告)
空中浮遊(プロフ) - 閲覧症:奇行系クリーチャーさん» コメありがとうございます!面白いだなんて・・・本当にありがとうございます!閲覧症:奇行系クリーチャーさんの円堂成り代わりの作品みてます!風丸とのくだりが私的に好きですw (2015年10月6日 20時) (レス) id: e8df5f8652 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:空中浮遊 x他1人 | 作成日時:2015年9月25日 21時