生きる。【暗殺教室】 (ページ13)

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４月21日～４月25日ページ13

４月21日
僕は、小学校に初めて行った。
友達ができない。
先生に『憂鬱』と書いて見せたら可笑しい目で見られた。お兄ちゃんは褒めてくれるのに。

４月22日
お母さんが居ない。
お母さん、お母さん、お母さん、お母さん、お母さん、お母さん、おかあさん？おかあさん！
死んだって、お兄ちゃんが言った。
飛び降りをして、自分で自分を殺しちゃったんだって。おかあさんに会いたい。

４月23日
お父さんが、居ない。
お兄ちゃんが言う。
お父さんはしばらく、帰って来ないよ。おかしいな。帰って来てほしいな。

４月24日
お父さんが帰ってきた。
お兄ちゃん、様子がおかしい。
怖いの？
僕が聞くと、変に笑った。
ぎこちないっていうのかな。とにかくおかしかった。

４月25日
お兄ちゃんもいない。
お兄ちゃん？お兄ちゃん？お兄ちゃん？
どこに居るの？いないんだよ。
かくれんぼじゃないよ。
かくれんぼしてないよ？
お父さんがいない。
お兄ちゃん？お兄ちゃん。
いない。

次のページを開いたカルマは手を止めた。
思わず、顔をしかめる。

次のページは、鉛筆でぐちゃぐちゃと塗りつぶされていた。

カ「何これ……」

辛うじて読めるのは、

『おいていった。
おにいちゃんも、おかあさんも。
おとうさんのせいだ。
おとうさんがわるい。
おとうさんをゆるさない。』

カ「ぼくが、おとう…さんを、とめ…る……。」

正直、カルマは胸がいっぱいだった。

こんなにも幼い子が、ここまで、重いものを背負って生きてきたのか。

カ「………爽良………。」

その次のページからは、ほとんど何も書かれていなかった。

疲れた、苦しい、辛いなどと、小学生が書くようなことではないことを一冊のノートに、沢山の感情が込められて書かれている。

泣かずには居られなかった。

この子がどれほど、辛い思いをしてきたのかが、伝わる。

どうして、学校に来たとき、あんなに平気そうだったのさ。

頼ってくれなかったのさ。

爽良。