【3年A組】キミのひみつ3

3月8日 ページ19

次の日の朝、教室に入って来た先生はいつものように教壇の前に立った。






先生「はい、起立。俺の授業を始める、礼」







あれ？なんでいつもの流れになってるの？







石倉「なぁ、ブッキー。俺達、ここに残る理由もうなくね？」






宇佐美「澪奈のフェイク動画を依頼した武智が捕まったんだから、もうやることないよね？」







兵頭「金だろ！！身代金いくら貯まったんだよ！？」







みんなが気になっているであろうことを質問してくれた3人。






しかし、先生の目的は金でも犯人を捕まえることでもないと言う。






むしろここからが本番だとか。







先生の言葉に困惑する私達。







先生「その答えは、多分明日になれば分かるだろう。だからお前達にはもう少しだけ付き合ってもらう。……というわけで、今日の課題は、」






身構える私達に先生が告げたのは、







『自習』







……え？








自習ってなに、自習って。








石倉「自習ってなんだよ」







先生「各自好きな事をやって過ごすように。時間を有意義に使ってもらうようにプレゼントを用意した」







先生は回収した鞄や携帯をプレゼントと称して私達に渡してくれた。







隼人「ちょっと待てよ、ちょっと待てよ！ほんとにいいのかよ？俺達に渡して」







隼人くんは訝しげに先生に問う。







先生「あぁ。これで家族や友達に連絡すればいいし、SNSに書き込みたい者は自由に投稿すればいい。だだし、俺に協力してることは伏せてくれ」






え、いいの…？






驚く私達に先生は、「もし共犯だと思われたらその生活に支障をきたすからな。それだけは絶対に避けたい、そのためにも」と言って、






『ぐっ、くる、ぱっ！』






と、ジェスチャーをした。







頭にはてなを浮かべる私達に先生は、







"ぐっと踏みとどまって"







"くるっと頭を1周させれば"







"ぱっと正しい答えが浮かぶ"







と説明した。








ぐっ、







くる、








ぱっ。








もう一度、頭の中で繰り返す。








うん、なんか掴めた気がする(?)








隼人「……、…おい、A！」







隼人くんに肩を叩かれ、はっとする。







ひとりで考えている間に、先生は教室を出ていき、クラスメイトたちはスマホをいじり始めていた。






「ごめん、ぼーっとしてた！なに？」






そう聞くと隼人くんは家に連絡する、と言って電話をかけた。

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