3月2日 ページ17
？「…きて…」
「んぅ…」
誰かが私の身体を優しくゆする。
？「…きて…A…起きてってば」
「…んん？」
唯月「んん？じゃないでしょ、早く起きないと先生来るよ」
目を開くと目の前には唯月の整った綺麗なお顔。
さすがあの人気雑誌の表紙を飾ったモデルさん。
お人形さんみたい。
唯月「もう、なにバカなこと言ってんの。早く顔洗ってきな」
ありゃりゃ？
声に出てたみたい。
「はーい」
唯月はあんなこと言ってるけど、本当は照れ隠しだってこと、私は知ってる。
って本人に言うと怒られちゃうから言わないけど。
廊下に出ると、大好きな彼の後ろ姿が見えた。
走って行って抱きつきそうになる衝動を抑えて水道に向かう。(まだ顔も洗ってないからね)
水道には昨日泣いて、目を真っ赤に腫らした涼音の姿があった。
「涼音…」
私の声に涼音は、はっとして振り返ると「A、おはよ」と苦しそうに笑った。
違う。
こんな顔させたかったわけじゃない。
「…涼音、無理しないで。泣きたいときは、泣いていいから」
そう伝えると、涼音は少し涙を目に浮かべて、「ありがとう」と呟いた。
その「ありがとう」は、きっと、昨日の私に対して言ったんだと思う。
私は水道のふちにタオルを置いて蛇口をひねった。
もし、あのとき私が意地でもナイフを握る先生の手を離さなかったら、今ごろどうなっていたのだろうか。
私が犠牲者になっていた？
それとも、もしかしたら…
考えたって仕方ないことは重々承知しているのだけど、やっぱり少し考えてしまう。
涼音「A、顔洗った？」
「うん」
涼音「じゃ、教室戻ろ」
「…うん」
涼音と教室に戻れば、教室内は先ほどより、少し騒がしくなっていた。
「なんかあったの？」
唯月「……人が殺されて気が気じゃないんじゃない」
「ああ、ね…」
隣の涼音をちらりと見れば、中尾くんの机を見つめてぼーっとしていた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 376人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
コロ(プロフ) - 美紀さん» コメントありがとうございます！そう言っていただき嬉しいです。私も甲斐くんが好きすぎてやばいです、3Aロス…。 (2019年3月29日 16時) (
レス) id: 6ea8ed7bc9 (このIDを非表示/違反報告)
美紀 - 甲斐隼人君と翔君と蓮君と海斗君と賢君大好きなのでドラマ終わったからロスです最高です (2019年3月29日 15時) (レス) id: a31ea93868 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：コロ | 作成日時：2019年3月24日 16時
