【3年A組】キミのひみつ

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先生が教室に入ってくると、みんながそれぞれの席につく。




先生「はい！きりーつ！…はい、起立だよ、起立。だらだらしなーい。」





なかなか立ち上がらない生徒を見て、先生が2回パンパンと手を叩く。





先生「はい、きりーつ！俺の授業を始める、礼。」





しぶしぶ立ち上がり、礼をする。






先生「はい、着席」






昨日の繰り返しだな、と思いながら椅子に座る。






先生「なんだどうしたお前ら。なんかどんよりしてるな。そんなに体操がキツかったか？」






隼人「この状況でヘラヘラしてる方がおかしいだろ」






珍しく隼人くんが正論を言っている。






先生「ははっ、確かに」






唯月「なんでこんなことすんの？ちゃんと教えてよ」





先生「いいよ？俺の質問に正解出来たらね」






石倉「また景山が死んだ理由を探せ、か」





先生「ピンポーン！でも今日はもう一歩踏み込んだ質問をしよう。昨日茅野が言ってたドーピング疑惑の件だ。SNSマインドボイスに景山が全国大会でドーピングをした、という投稿があった。そうだな？」





茅野「…はい」





先生「探してみたら見つかったよ。投稿者やり逃げX。このやり逃げXは景山への執着が凄くてねぇ。探してみたら色々とエグい投稿がたくさんあったよ。まあ、みんなは知ってると思うけど」





先生は悪口の投稿が書かれた紙を黒板に1枚1枚張っていく。





先生「で、問題の投稿がこれだ」






『全国大会当日のロッカー。 景山澪奈選手の鞄に謎のカプセル』





先生「この投稿には動画が添付してあった。見えるかな？」





先生はパソコンの映像が見えるように生徒の方へパソコンの向きを変えた。





先生「このカプセルの瓶がいわゆるドーピングの薬だ。だが、これは1部を加工したフェイク映像だった。つまり景山はドーピングをしてなかったことになる。でも彼女はこの投稿がきっかけで自 殺した」






宇佐美「それが原因？」





先生「あぁ。本人から聞いたから間違いない。そこで今日はこの動画を投稿した人間に名乗り出てもらいたい」





逢沢「この中にいるんですか？」






逢沢くんの質問に先生は頷いた。






先生「はい、やり逃げXさん手挙げて！」





しかし、手を挙げる人はいなかった。

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