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目黒「ごちそうさまでした！めちゃくちゃ美味かったっす！」
目黒くんが、店長さんに宣言通り声をかけてガッツポーズしてる。
「ね？」って笑顔を向けてくる目黒くんが眩しい。
ごめんね、私に、もうそんな余裕ないんだ。
目黒「Aさん？」
私だけその隣で下を向いたまま顔を上げられない。
大人なのに子供みたいに、ここから消えたくて仕方なくて、他のことが頭に入らない。
私も隣で「本当に美味しかったです！また来ます！」って、笑いたいのに。
笑顔の作り方も、声の発し方も、もうわからない。
目黒「どうかしましたか？＿＿＿＿あ。」
目黒くんの声が、何かに気付いて止まる。
あぁ、目黒くんも気付いたんだね、きっと。
そして、私の行動の意味もきっと理解したよね。
そう、だよね。
動け、足。
早く動かないと気付かれてしまう。
いや、動いても、気付かれる？
あぁもう。どうしたらいいか全然わからない。
ただただ、この場から消えてしまいたい＿＿＿＿。
深澤「…ん？あれ、目黒、と…Aちゃん…？」
そんな願いも虚しく、大好きな声が残酷にも私の名前を呼ぶ。
「っ、こんばんは。」
＿＿＿絞り出した、自分の声は、情けないくらい震えている。
泣きたくない。
深澤さんの隣にいる、綺麗な黒髪と長い髪、華奢で色白な私とは正反対の美人が、「たつくん、知り合い…？」なんて大きな目を深澤さんに向けて尋ねてるとこなんか、本当は見たくない。
カウンターに横並びだからって、肩が触れ合うような近い距離で並ぶ2人が、どんな関係かなんて。
知りたくない。
婚約者がいることなんて随分前から知っていたのに。
私には決して手に入らないその距離に、当然のように並べる人が居ることなんて、理解してたのに。
その相手は私じゃないって、ちゃんと、分かってたのに。
なんでこんなに、傷付いてしまうんだろう。
「っ、すみません。」
涙が溢れる直前。
一人、ラーメン屋を飛び出す。
ごめんなさい、うまく立ち回れなくて。
社会人として、ただの同僚として、振る舞うことができなくて。
絶対変に思われてしまいましたよね。
あんなに優しくしてもらっているのに、あなたが望むただの後輩でいられなくてごめんなさい。
こんなに好きになってしまって、
＿＿＿＿ごめんなさい。
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たぬ(プロフ) - 塩さん» 胸が暖かくなるやさしいコメントをありがとうございます。まだまだ上手く書けないですが、これからも楽しんで頂けるようがんばります！読んでくださりありがとうございます。 (2月23日 20時) (
レス) id: dc32266bd7 (このIDを非表示/違反報告)
塩 - ふわふわしてて可愛らしくて、綺麗な文でつくられているのでとても好きな作品になっています𓈒𓏸これからの展開も楽しみにしています…！ (2月21日 22時) (レス) id: 2759139232 (このIDを非表示/違反報告)
たぬ(プロフ) - 翡翠さん» 続きを楽しみにして下さり、コメントもありがとうございます！泣いて下さるなんて、申し訳ない気持ちと嬉しい気持ちがせめぎ合っています。笑 続きも楽しめますように。 (2月13日 2時) (レス) @page40 id: dc32266bd7 (このIDを非表示/違反報告)
翡翠(プロフ) - 切なすぎて泣きながら読みました笑 続きが楽しみです (2月11日 22時) (レス) id: 6c0d9e0967 (このIDを非表示/違反報告)
たぬ(プロフ) - もぐさん» ご感想ありがとうございます。この作品が面白いのか私自身分からなくなってきていたのでそう言って頂けるととても嬉しいです。素敵な応援をありがとうございます。更新頑張れそうです…！ (2023年2月24日 22時) (レス) id: dc32266bd7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：たぬ | 作成日時：2022年11月27日 15時
