7話 ページ8
「で、A級に勝ったC級って遊真でしょ?誰に勝ったの?」
確信があったので聞いてみる。
「ああ、それ駿だよ」
迅さんが緑川の頭に手を置いて私に言う。
「え、マジ?すごいじゃん。遊真」
「いやいや、それほどでも」
頭をかきながら照れる素振りを見せる遊真。
へ〜、緑川だったんだ。まあ、アイツまだ動きは完璧ってわけじゃないし、芸を覚えたてて喜んでるくらいの頃だからね。多分。
「も〜、ショックだったんだからね!」
と、少し拗ね気味の緑川。すると、
「次はボコボコに仕返すから」
「ほう、お待ちしています」
「へー、いいライバルだね」
「そーだな」
その光景を眺めていると、声をかけられる。
「つるまちゃんも一回遊真とやってみたらいいよ」
今日は時間無いから今度だけどね、と付け足す迅さん。
「ん?つるま?」
「ああ、コイツのあだ名。ボーダーではほとんどの人がそう呼んでる」
「あ、ちょっと」
余計なことを、折角久しぶりに本名で呼んでくれる人ができたと思ったのに…!
「なるほど…じゃあおれもこれからそう呼ぶね。じゃ、またなツルマ」
「くっ…」
……やられた。
あの後、迅さんと遊真と三雲くんと陽太郎は玉狛へ帰っていった。
緑川の好敵手ができてうんうんと感心していると、
「んじゃ、俺らもランク戦するか」
「おっと?」
「ん?文句言うなよ?どうせ暇だろ?」
「いやいや、暇じゃないですよ〜……えーっと、……あ、アレです。私三輪先輩に挨拶しに行こうと思ってたんです」
「嘘つけ。今考えただろ」
「つるちゃん先輩嘘下手だな〜」
「うるさいな。確かに今咄嗟に考えたけど、三輪先輩に挨拶しに行くのはホントだよ」
ホントはランク戦しに来たんだけど、急に三輪先輩に会いたくなったからやっぱパス。
「んじゃ、さっさと会ってさっさとバトろーぜ」
「はいはい。じゃ、また」
「おう」
「またねー」
絶対戻ってこいよ的な圧をかけられたが気づかないフリ。面倒くさそうだから行かないでおこうかな。
そんな事を考えながら二人に手を振り、三輪先輩を探しに行った。
ちょっと修正しました
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あすか - めっちゃ面白いです。更新頑張ってください! (2022年11月30日 20時) (レス) id: 1e4bb1c648 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:べーた | 作成日時:2021年12月12日 15時