私にも守れたら (ページ34)

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31話ページ34

「ひでぇ〜」と嘆く太刀川さん。「もちろん嘘ですよ」と返すが、その言葉待ってましたと言わんばかりの顔でグッドサインをこちらに向ける。正直に言うと殴りたい。

けど私は穏やかな人間なのでその衝動を抑え、にっこり笑ってあげた。

「含みのある笑い方だな…」

「あはは。つーか、つるまちゃん結構急いでたね。どったの？」

「いや、今日那須隊のランク戦で、茜が出るって言ってたから急いでて…」

「あ〜、なるほど〜。危なかったねもうすぐで始まるよ〜」

「あ、そうですか！じゃあ私席行ってますね！実況と解説頑張ってください」

「ありがと〜」

先輩方に別れを告げて席に行くと、もうすぐ始まるからか、結構人がいた。

「(も、もうすぐだね…頑張れ〜茜…！)」

ランク戦後。

結果的に那須隊は鈴鳴に勝ち、玉狛に負けた。

遊真強すぎでしょ。茜の置いたメテオラとか結構よかったと思うけど。惜しかったな…。

個人的には遊真対那須さんとか見てみたかった。

そんなことを思いながら、那須隊の隊室へ向かう。

「(…那須隊、上位までにはちょっと遠のいちゃった感じかな。この回はかなり惜しいはずだよね…)」

ノックをする手を止め、ふとそう考える…。
呑気なことを考えてたけど、やっぱり那須隊の皆は辛いよね…。
迷惑じゃないかな…。チームメイトでゆっくりしたいよね…。今日は引き返そうかな。

そう思うと同時に手を引っ込めようとしたとき

「あれ？Aちゃん」

「…わ。あ、茜…」

ガラッと扉が開き、目元が赤い茜が出てきた。

「あ、えっと、その…試合、お疲れ様って」

「…！えへへ！わざわざ来てくれてありがとう！！いや〜悔しかったな！私がもっと頑張っていれば…！！」

「そんなことないわよ茜ちゃん。相手も手強かったからね」

「あ、那須さん。お疲れ様です」

「久しぶり、Aちゃん」

照れながら喋っていた茜。思ったより元気そうだ。そう思い安心していると部屋から那須さんも出てきた。

那須さんもニッコリ微笑み、茜を励ましていた。

那須さんが慰めてくれてたんだな……。

その後、熊谷先輩や志岐先輩も顔を見せてくれたので、先輩方にもお疲れ様ですと言葉を贈り、少し雑談をし、

「Aちゃん、ありがとう！私達、今回は負けちゃったけど、次は絶対に勝って上位に入るから！！」

「うん！頑張ってね！私もずっと応援してるからね！」

茜と笑い合いながらそう言葉を交わし、帰路へついた。