私にも守れたら (ページ30)

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27話ページ30

でも、茜の親御さんの意見もわかる。私の親もそうだったから。

暫く黙って泣き続ける茜の背中をさすっていると、次第に声は小さくなっていった。

「…落ち着いた？」

「ズビッ、うん」

泣きつかれたのか茜は私から離れて真っ赤になった目でこちらを見てニッコリ笑う。

「…なんか、Aちゃんと一緒にいたら安心できた気がする、ずっとメソメソしてられないや」

「そっか、そうだね」

「うん！それに…那須先輩達とも言ったんだ、那須隊の4人で、ランク戦上位めざすんだって！」

ずっと泣いてられない、気持ちを切り替えなきゃね！

ニカッと笑って私に向かってそう言う茜。この一瞬で気持ちを切り替える覚悟ができたらしい。

「うん、頑張ってね。応援してるよ」

「ありがとう！もちろん、Aちゃんとも、いっぱい遊び尽くすからね〜！！」

「あははっ、茜は忙しいね〜！楽しみにしてる！」

泣くのを堪えていた私とわんわん泣いていた茜は、いつの間にか心の底から笑い、大切な約束を交わした。

＿＿
「ひえ〜危ない危ない、間に合ったかな？」

あの後、少し茜と雑談をしていた時、すっかり忘れていた防衛任務を思い出し、茜に別れを告げた。結局ランク戦をする暇はなく、直接任務の場所へ向かった。

今回の合同任務は遅れたらややこしそうなんよね…。さっきチラッと見た感じ、間に合っては…いるハズ。

「よォ、鶴間。エラくギリギリじゃねェか…」

「ひ」

「あァ？」

「ごごごごめんなさい弓場さん」

「……まァ、間に合っただけいい。あと2分遅かったら…」

「うわああ、すみません！気を付けます！」

「話遮ってんじゃねェぞコラァ！！」

「すんません！！！」

本日の防衛任務は弓場隊と合同。思ってたよりもかなりギリギリだったらしく、弓場さんに説教されかけたところ。

「き、今日はよろしくお願いします」

「…あァ」

なんとか挨拶で誤魔化し、全部なかった事のように振る舞う。弓場さんも呆れたのか溜め息をつきながらそう応える。