9話 ページ10
驚異の入隊式から数日。今日は任務がないので、放課後何処か行こうかなと考えていると、
チチチチチ
「ん?緊急呼び出し?珍しいな」
「何かしら……まあ、三門市の方が真っ暗だわ…!」
先生の言葉に少しざわざわしだす教室。
私の通う中学は隣町の三門市と近く、稀にサイレンの音なども聞こえる。
「先生、呼び出しがあったので早退します。」
「…わかったわ。気をつけてね」
「はい」
先生に許可を取り教室を飛び出す。
普段はボーダーと提携していない進学校で、早退はあまりよろしくない。その為、防衛任務は上層部に頼んで夜にしてもらっている。
だが今日は非常事態のため、そんなのお構いなし。とりあえず急がなくては。
既に戦闘は始まっており、何人かの正隊員が戦っている。私もやらねばと孤月を起動する。
「モールモッド…」
見つけたトリオン兵をグラスホッパーを使いながら倒す。
モールモッドくらいならすぐに倒せるな。
ある程度片付いたあと、本部に援助した方がいいところを聞こうとしたとき
バキバキ、バキンッ
「ん?……えっ」
後ろから音が物音がしたのでなんとなく振り返ってみると、倒したはずのモールモッドから見たことのない二足歩行のトリオン兵が出てきて、こちらを見ていた。
「何こいつ」
『鶴間隊員、聞こえますか?』
トリオン兵に少し驚いていると、無線通信から沢村さんの声が聞こえた。
「はい、聞こえてます」
『では、その新型トリオン兵について説明します。そのトリオン兵はラービット。トリガー使いの捕獲用トリオン兵よ。隊員を捕まえようとするから気をつけて。もう既に木虎隊員、諏訪隊員などが捕獲されているわ』
「えっ藍ちゃんが?やばいじゃん」
沢村さんからこのヤバそうなトリオン兵の詳細を聞き、大体把握はできた。
「沢村さん、何処が硬いかわかりますか?」
『風間隊の情報によれば、硬いところは両腕、その次に頭蓋と背中よ。お腹や脚から狙っていくのがいいと思うわ』
「了解です。ありがとう沢村さん。」
硬いところは把握できた。沢村さんも忙しいだろうし、他の情報は戦いながら調べようかな。
そう思いながら、私は孤月を握り直した。
「処理を開始します」
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あすか - めっちゃ面白いです。更新頑張ってください! (2022年11月30日 20時) (レス) id: 1e4bb1c648 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:べーた | 作成日時:2021年12月12日 15時