たぬきと犬とてるてる坊主と

６月だっていうのに以上に暑い。 ページ26

.


あ「暑い。」


あ「Aちゃん」
「はい？」
あ「今何月？」
「6月になりましたねー」
あ「梅雨ってこんなに暑かったっけ」
「今年は珍しいねー」
あ「あのさ…」
「んー？」


あ「なんで汗かいてないの？！？！？！」



扇風機を独り占めしていながらも汗だくのあんくさんが急に立ち上がる。


「なんでって言われてもね…そういう体質なのかなぁ…」


ま「…なんか飛んできた」

あ「まふくんもあんまり汗かかないよね。肌白いし、いいな。本当に美少年。」


最後のは関係ないよね。


ま「なんか飛んでくる」

あ「夏本番になったら俺は一体どうなってしまうんだ！！」

ま「また飛んできた」



まふくん。

そろそろ気づいた方がいいと思うな。



「あんくさんの汗が扇風機の風で飛ばされてるんじゃないかな…」



あ「ん？」

ま「…」


「たぶん…だけどね」


ま「ふざけるな！！大体扇風機を独り占めしといてなんでそんなに汗かくんですか！！」
あ「まふくんには分からないだろうけど！俺だって汗かきたくてかいてるんじゃないよ！！」


日差しがガンガンと照らす真っ昼間に、暑苦しく言い合う二人。


「なんか…もっと暑くなった気が」

う「うるせぇなぁ」
「うらたさぁーん」
う「なんで喧嘩してるの」
「原因は6月だっていうのにこんなに暑いのがいけないんです…」
う「そ、そうなのか…」


すると、うらたさんは引き出しから何やらエアコンのリモコンらしきものを取り出して


ピッ


スイッチを入れた。

動き出したエアコンからは冷風が出てくる。
センサーが暑苦しい二人を察知して冷風が直撃。



ま「あっ」
あ「き、きもちいい」


ふらふら〜っと足の力が抜けたように床にへたる二人。


う「撃退。」


うらたさんが私にウインク。


「さっすが！頼りになります先輩！」

う「なにが先輩だよ。お前も気をつけろよー汗かかなくても熱中症になることあるんだからさ。」


「な？」って頭をポンポンしてくうらたさん。


あぁ、本当にこんな先輩欲しかった…


あ「Aちゃん頭から水蒸気出て顔真っ赤だよ？大丈夫？」


生き返ったあんくさんに言われてはっと我に返る。


ま「何顔赤くしてんのバカ」

「うぇ！？冷た！！」


まふくんに保冷剤を顔に押し当てられる。


「冷たいって！まふくん！」
ま「おしおき。」
あ「まふくん！俺にも」
ま「嫌」
あ「お願い！」
ま「嫌」
「…んふふ」
ま「君はいつまで余韻に浸ってるの」

雨からのトゥーン→←ゆめうつつ

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す