たぬきと犬とてるてる坊主と

ゆめうつつ ページ25

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「まふくん。」

ま「んー？」

「んー？じゃなくて」

ま「なーに」


「…そこどいてくれないかな？！」


私が掃除機をかけてるのに、さっきからずっと絨毯の上でゴロゴロしながら漫画を読んでる。


ま「あはは！何この展開！やばいー！…っあ」
「没収！」

ま「ちょっと何すんのさ！」
「少しの間だけでいいから部屋に行ってて！」
ま「返してよ！」
「返すから！」
ま「今！」
「じゃあ立って！」


ムッて顔しても返してあげないんだから。
まふくんがずっと退かないのが悪い。

ほら、お菓子のカスとかこぼしてるし…


ま「返せー！」

「っちょまふくん！」


まふくんが私が手に持ってる漫画を無理やり取ろうとしてくる。


「後でちゃんと返すからっ…うわ！」


まふくんが取ろうとしてくるから取られないように避けてたら、後ろにソファがあったのに気づかなくて、つまづいてそのまま後ろにひっくり返った。


「痛…」

ま「後ろちゃんと見てないからでしょ」
「まふくんが！」

ま「僕のせいなの？」

「いいからそのまま部屋に行って！漫画は返すから！だから…離れて…」


私がソファに倒れてる上から覆い被さるように乗ってくる。


ま「もう漫画はいらないや」


ま「ねぇ、」



やだ、近いよ。



ま「口あけて」

「っ…」

ま「早く」


「まふくんやめっ」


どんどんまふくんの顔が近づいてきて
鼻と鼻が触れた瞬間に、びくって体が震えた。





ま「朝食の青のりついてるよ」


「…」

ま「取ってあげようと思って」

「バカ！！」
ま「へ？！ちょっとA！！」


まふくんを押し退けて、部屋に駆け込む。


青のりついてるよ？

は？

あの雰囲気でそれ言う？


「もうやだ…」

ま「ごめんって！開けて！」


まふくんが私の部屋のドアをドンドンと叩く。


「まふくんのバカ。」

ま「だって、あのまま」


鍵が付いてないドアは簡単に開けられて、まふくんが入ってくる。



ま「…キスなんてしたら怒るでしょ？」


「怒らな…いかもしれないじゃん…」

ま「じゃあ、今してもいい？」
「青のりついてるから嫌！」

ま「そんなの気にしないし…嘘だから…」

「嘘なの？」
ま「嘘だよ」


まふくんの右手が私の頬に添えられる。


ま「A…」
「まふくん…」




ま「A」


まふくん…





ま「そんな気持ち悪い顔で寝てると一生彼氏できないよ。」


え、


ま「あ、起きた？」

「夢…」

ま「ご飯だよ」

「…はい。」

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